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ヒアリ上陸予言の研究者が鳴らす警鐘

もはや「鎖国しかない」

2017年8月31日(木)

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 今夏、日本上陸を果たしたヒアリ。その上陸を約1年前から予言していた研究者がいる。国立環境研究所の生物・生態系環境研究センターの五箇公一室長だ。政府はヒアリが繁殖し、定着することを警戒、港などでの捕獲や駆除など水際対策に躍起だが、五箇室長はヒアリのような外来生物の侵入を防ぐにはもはや「鎖国しかない」と断言する。その真意とは。

初期対応は成功、警戒は継続

ヒアリがついに日本でも見つかりました。

 「最初に見つかったのは神戸市ですね。中国から来たコンテナが、神戸港のコンテナヤードに一週間弱保管され、その後、荷物検査所で開けてみたら見慣れないアリがいた。調べたらヒアリということで大騒ぎになった。コンテナを最初に下ろしたコンテナ置き場も心配だというので調べたら、案の定そこにもヒアリが。これで騒ぎがさらに大きくなった」

 「『神戸に出たなら他の場所でも』ということで、調べてみると、大阪、名古屋、横浜、東京と次から次へと大きな港で見つかった。幸い、運ばれている現場では見つかっても、巣、いわゆる営巣して定着しているという事例はまだ1例も報告されていません。初期対応はできた状況と言えます」

五箇氏は外来生物防除の専門家だ(写真:竹井俊晴、以下同)

 「ただ、運ばれてきたのは昨日、今日、今年だけに限られたことではなく、これまでにもずいぶん来ていたと思います。実は外来種が侵入してから姿を現すまでには10年くらいかかるといわれています。ヒアリもどこかでひたひたと隠れながら増えている可能性は否定できません。徹底的に調査して巣がないか調べていかなければいけません」

南米原産のヒアリが、そもそもなぜ日本で生きていけるのでしょうか?

 「彼らがこれまで住んでいた地域に比べると、日本は冬の寒さが非常に厳しいので、非常に過酷な気候と言えます。ただ、ここ最近の異常気象も含め、積雪量が減るなど日本の気候も変わってきた。都市化が進むことでヒートアイランド現象も見られる。都市内部に熱源がいくらでもあるので、彼らが生活しやすい環境になってきたと言えます。ヒアリも初期対応に成功しても定着は100%否定できないし、これからの定着も含めて危険性はゼロではない。引き続き警戒態勢をとっていく必要があります」

日本でヒアリが見つかったのは、五箇先生らがほかの外来アリの駆除方法を確立したという論文を発表したのとほぼ同じ時期だったようですね。

 「アルゼンチンアリね。駆除方法は特段変わったことではありません。巣があればその周辺に働きアリがうろうろしているので、その行動圏を把握して毒餌の薬を置き、彼らの通り道にも置き、巣に持って帰ってもらって全滅させるという仕組みです。駆除した後、どれだけのアルゼンチンアリが残っているか、確率を推定するモニタリング方法を確立してなかなか由緒ある雑誌の『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載されたんだけど、ヒアリの発見でかすんでしまった(笑)」

「環境 vs 人類」の目次

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「ヒアリ上陸予言の研究者が鳴らす警鐘」の著者

庄司 容子

庄司 容子(しょうじ・ようこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社に入社し、社会部、横浜支局を経て企業報道部へ。化学、医療、精密業界、環境などを担当。2017年4月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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