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揺らぐ日本企業の「環境先進」イメージ

中国政府の規制強化で摘発相次ぐ

2017年9月6日(水)

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深刻な北京の大気汚染。中国政府も環境対策に本腰を入れざるを得ない状況だ (写真=アフロ)

 「環境汚染大国」中国が抱える問題の深刻さは、前回、9月5日公開の記事(「嘆く農民と赤茶けた水の池、中国汚染地帯を歩く」)で見た通りだ。

 中国の環境問題は突然起きたわけではなく、以前から問題視されてきた。しかし、経済成長を優先する地方政府は、一時的には経済の足を引っ張りかねない環境保護に本腰を入れることはなかった。現場には厳格に取り締まるより私腹を肥やすことに熱心な役人も数多くいた。企業側も小手先の対応で、目先の取り締まりを逃れられればいいという姿勢に終始した。

 そんな中国でもようやく環境保護意識が高まりつつある。経済成長で人々が豊かになり、健康や食の安全などにも関心が向くようになったからだ。特に2008年に北京の米国大使館が独自に大気汚染の状況を測定するようになってからは、中国の大気汚染が世界的に問題視されるようになり、中国の国民の間からも環境汚染を嘆く声が高まった。

世論に押されて中国政府も環境対策に本腰

 そうした世論を受け、中国政府も近年、環境問題に本腰を入れ始めている。2015年1月には環境規制を強化。違反企業への罰則を強化するとともに、違反を取り締まらない地方政府当局も処罰の対象とした。

 2016年には、「環境保護の勅使」とも言われる「中央環保督察組」が組織された。督察組は各地方に赴き、独自に環境汚染を調査。汚染物質を排出している企業などを取り締まる。

 環境対策を地方政府任せにしていては、現地企業とつながりの深い役人が「手心」を加えて、汚染源となる企業を野放しにしかねない。これではいつまで経っても環境対策が進まない。そんな中央政府の危機感がにじむ。実際、ある企業経営者は「中央の役人が来て、有無を言わさず取り締まるようになった」と話す。企業も地方政府も、督察組の存在を無視できなくなりつつある。

 地方政府は動かざるを得ない。日本企業も数多く進出している江蘇省常熟市では今年6月、当局の“異例”の取り締まりに企業関係者が肝を冷やした。担当者がパトロールに出たのが夜間だったからだ。

 環境対策を施していない工場は、当局の監視の目が厳しい昼間の操業をやめ、夜間に稼動するケースも少なくない。ある工場関係者は「こちらだって金を稼がなくてはならないのだから仕方ない」と明かす。

「環境 vs 人類」の目次

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「揺らぐ日本企業の「環境先進」イメージ」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官