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ロシアのクリミア併合から戦い方が変わった

小野寺五典・前防衛相に聞く新たな防衛大綱

2018年11月20日(火)

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 政府は今年末をめどに「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を改訂する。前回の改訂から5年。この間に北朝鮮は核・ミサイルの開発を大幅に前進させた。トランプ政権が誕生し、米国の安全保障政策は内向きの度合いを強める。

 改訂に当たって我々は何を考えるべきなのか。小野寺五典・前防衛相に聞いた。同氏は「ロシアのクリミア併合を機に戦い方が変わった」ことへの対応を重視する。

(聞き手 森 永輔)

今なぜ防衛大綱を改定するのでしょう。小野寺さんが防衛相を務めていた今年1月に見直す方針を表明しました。2013年の前回の改訂から、まだ5年しかたっていません。大綱は10年の期間を念頭に、防衛力のあり方と自衛隊が保有する防衛力の水準を定めるものですね。

小野寺:前回の改訂の時も、私が防衛相を務めていました。あの時と比べて、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変化しました。一つは、北朝鮮が核ミサイルの能力を著しく増強したこと。昨年9月に実施した実験の爆発規模は、広島に投下された原爆の10倍以上の威力があったと推定されています。弾道ミサイルも日本を射程に収めるものを400発配備しているといわれています。

小野寺五典(おのでら・いつのり)
衆院議員。1983年に東京水産大学を卒業、1993年に東京大学大学院法学政治学研究科を修了。宮城県庁、松下政経塾、東北福祉大学助教授などを経て、1997年、衆院議員に初当選。以降、外務大臣政務官、外務副大臣、防衛大臣などを歴任。現在は衆院外務委員会の筆頭理事を務める(写真:新関雅士)

 もう一つは、戦い方が大きく変わったことです。ロシアが2014年、ウクライナに軍事介入し、クリミアを併合。この時に各国はサイバー戦や電磁波戦の重要性を目の当たりにしました。ロシア軍の動きを検証したところ、次の段取りだったことが判明しました。衛星通信やレーダーを遮断したり、重要インフラにサイバー攻撃を仕掛けたりして社会をかく乱。こうしてウクライナ側の“目”をふさいだうえで、軍事攻撃を仕掛ける

いわゆるハイブリッド戦を展開したわけですね。

小野寺:はい。このような時代になったことを踏まえて、大綱の見直しを決めました。

ミサイル防衛を機能させるにも宇宙やサイバー対応が大事

北朝鮮による核ミサイルの能力増強が理由なら、ミサイル防衛システムが改定の中心になるのですか。

小野寺:ミサイル防衛そのものについては、すでにいろいろな施策を進めています。

イージスアショアの導入がすでに決まっていますね。

小野寺:ええ。しかし、ミサイル防衛システムを十分に生かすためには、宇宙を回る衛星で必要な情報を収集したり、それをネットワークを介して適切に受け取ったりする仕組みが欠かせません。したがって宇宙、サイバー、電磁波戦といった新たなドメインを横断的に防衛する能力を構築する必要があります。戦い方が変わったことに合わせて、守り方も変える必要があるのです。

では、大綱の中心はクロスドメインになりますか。

小野寺:重要な要素として、これから議論していくことになると思います。精密誘導の能力が向上しています。相手国が攻撃対象とする施設を守るためには、相手の情報通信を遮断する電磁波装備などが必要になります。重要インフラに対するサイバー攻撃を防ぐ手立ても必要です。こうしたものを充実させていくことが議論の対象になるでしょう。

小野寺さんは敵基地攻撃能力の導入に賛成の立場ですね。

コメント4件コメント/レビュー

平和ボケに浸っている日本人は多いし、マスゴミも勉強不足で本当の危険は報道しませんが、世界は第一次世界大戦の勃発する以前の世相に良く似ています。当時も世界的な不況な中で、各国が保護主義・覇権主義に走り、民族対立が起因する暗殺がきっかけで戦争が起きました。
アジアでも朝鮮が統一する動きが活発になり、今後どのように暴発するかわかりません。
覇権主義争いで米中対立も今後どのように展開するかもわかりません。
そのための国防の備えは大事だと思います。私は今の自民党の政策は支持しますので責任を持って遂行して欲しいです。
一度戦争が勃発し日本が被害に遭えばそれまで戦争反対を叫んでいた国民・マスゴミは一転して政府批判に変わります。政府・自民党も国民に対して今まで以上にわかりやすく説明する義務もあると思います。(2018/11/20 09:16)

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「ロシアのクリミア併合から戦い方が変わった」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

平和ボケに浸っている日本人は多いし、マスゴミも勉強不足で本当の危険は報道しませんが、世界は第一次世界大戦の勃発する以前の世相に良く似ています。当時も世界的な不況な中で、各国が保護主義・覇権主義に走り、民族対立が起因する暗殺がきっかけで戦争が起きました。
アジアでも朝鮮が統一する動きが活発になり、今後どのように暴発するかわかりません。
覇権主義争いで米中対立も今後どのように展開するかもわかりません。
そのための国防の備えは大事だと思います。私は今の自民党の政策は支持しますので責任を持って遂行して欲しいです。
一度戦争が勃発し日本が被害に遭えばそれまで戦争反対を叫んでいた国民・マスゴミは一転して政府批判に変わります。政府・自民党も国民に対して今まで以上にわかりやすく説明する義務もあると思います。(2018/11/20 09:16)

小野寺氏のご主張の趣旨はよくわかる。ただ、政府・与党だけを見ても、サイバー・セキュリティ(つまり、「情報というもの」の本質)についての基本的な感覚が本態的に欠如していると推測される人が責任者を務めるような仕儀を見ると、対策の空転の可能性も低いとは言えまい。国会での論議を見ても、野党系も議員でも、情報感覚の形式化や硬直性が目立つ。要するに、先見性やリアリズム感覚の点で、立法・行政の責任ある人々の間にある(今は、絶望的とも言える)「知的感覚の格差の解消」もお忘れなきよう。小野寺氏のご指摘のように、少なくとも、周辺国並みの(最先端の)感覚は(野党系もこめて)常に持てるようにすべきであろう。(2018/11/20 08:57)

クリミア戦争が、単なるクリミア戦争ではなかったと言うことが、よく分かりました。黒海どころか、東地中海にも、米国の空母部隊が入らなくなったのも、同じ理由なんですね。今や黒海と東地中海の制海権は、ロシアのモノになっている。トルコは、NATO加盟国なのに、完全にロシアの海の中に孤立してしまった。米国に見放されたトルコ、エルドアン大統領の怒りが理解できます。
中国が、南シナ海外周に同じシステムを配備し終わったら、第七艦隊は南シナ海を航行できなくなるかも知れないと言うことですよね。トルコの運命は、明日の日本の運命と言うことです。そうなれば日米同盟は役に立たない。第2列島線のラインまでが、中国の海になる。日本の領海をも含めて。(2018/11/20 05:17)

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