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完全ペーパーレスでは凄いアイデアは生まれない

十三代・中川政七の「整理の哲学」

2017年12月15日(金)

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整理が苦手だと散らかった机に集中力をそがれ、探し物に時間を奪われる――。整理ベタは生産性を落とす原因だ。ただし、整理自体は目的ではない。大切なのは、生産性を高めて結果につなげるための整理術だ。革新的なアイデアで日本の工芸に元気を与え、自社も成長させている中川政七商店社長 十三代の中川政七さんの、成果を生み出すための「整理哲学」とは?(写真:鈴木 愛子)

 手績(う)み手織りの麻織物を扱ってきた老舗工芸メーカーを生まれ変わらせた、中川政七商店社長 十三代の中川政七さん。今は自社商品の製造・販売だけでなく「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、数十社ほどの中小工芸メーカーのコンサルティング事業も担う。自社で培ったブランドマネジメントや販売・流通のノウハウを生かし、経営視点から支援する。

 2017年2月期の売上高は52億円で、02年に中川さんが入社してから10倍以上に増えた。十数人だった従業員数は、300人以上になったという。

不要な情報を捨て、必要な情報をすぐ引き出す

中川 政七(なかがわ・まさしち)
中川政七商店社長 十三代。1974年生まれ。京都大学卒業後、富士通を経て、2002年家業の中川政七商店に入社。08年に社長に就任し、麻織物を主とした製造卸売業から工芸をベースにした生活雑貨のSPA(製造小売り)へと業態転換させ、会社を成長させている。『経営とデザインの幸せな関係』(日経BP社)など著書多数。

 そうした結果や成長につながった1つの要因として、「商品が売れるアイデアを生み出すための“情報整理”を大切にしている」ことを中川さんは挙げる。

「ITの進化により、目や耳から入ってくる情報量は飛躍的に増えました。でも〝頭のメモリー〟は、自分が思っているほど、多くの情報を処理できません。不要な情報を捨て、必要なものをいかにすぐ引き出してうまく組み立てるかが、“売れるアイデア”につながる。そのための整理法(仕組み)を考えることが重要になるのです」

 中川さんの情報整理は、働き方やデバイスの進化、そして目的とともに進化している。以前はもっぱらアナログ派で、紙を多用して情報を保管していた。実践した整理法は、経済学者・野口悠紀雄さんの超ベストセラーかつロングセラー『「超」整理法』で紹介されていた「押し出しファイリング」だ。

 メモやアイデア、マインドマップを書いたA4用紙や資料をクリアホルダーに挟み、企業や商品プロジェクト別にインデックスをつけた封筒に入れて、右から順に並べていくだけだ。使用後は右端に戻せば、必然的に左側は使用頻度が低いものになる。棚がいっぱいになった場合や、年末など決まった時期に左端から内容を確認し、不要なら処分すればいい。極めて単純な整理法だが、ざっくりと時系列に並べるだけで記憶にも残りやすく、目当ての書類も見つかりやすいという。

「アイデアがスムーズに生まれづらくなった」

 しかし、2016年に東京オフィスを完成させ、中川さんは奈良の本社と行き来する働き方に変わった。必要な時に必要な書類を取り出すにはすべてを持ち歩くしかないが、それは不可能。そこで採用したのが、徹底した電子化だ。

 打ち合わせでは、A4用紙に代わってiPad Proを使い、クラウドサービス「エバーノート」のメモ機能に、アップルペンシルで図やメモ、キーワードなどを書き込む。膨らませたアイデアは手書きのマインドマップではなく、専用アプリケーション「Mind Node」に書き込んだ。紙の資料はすべてスキャンし、商品プロジェクトごとにフォルダーに分けて保存。そしてこれを機に、議事録など社内のあらゆる書類を徹底してペーパーレスにしたという。

「確かにどこで仕事をしようが、検索するだけで必要な情報がすぐに引き出せるようになった。一方で、アイデアがスムーズに生まれづらくなった気がしたのです」(中川さん)

東京オフィスは中川さんも含めフリーアドレス制。中川さんが机の上に置くのは平置き書類ケースと、資料のクリアホルダーを立てて入れるファイルボックス、ノートパソコン、ペンケース、本のみ。

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「完全ペーパーレスでは凄いアイデアは生まれない」の著者

高島 三幸

高島 三幸(たかしま・みゆき)

ライター&エディター

京都市生まれ。大学卒業後、実業団の陸上競技短距離選手として活動。メーカー勤務を経てフリーランスのライター&エディターに。アスリートやビジネスパーソン、芸能人などの人物取材を得意とする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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小田嶋 隆 コラムニスト