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顔認証技術のビジネス利用、追いつかぬ法整備

監視カメラ、日本でもビジネス利用へ

  • 佐藤 一郎=国立情報学研究所 副所長

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2018年7月12日(木)

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防犯目的が主流だった顔認証技術を、マーケティングに応用する機運が高まっている。法整備が追い付かない中、開発段階からのガイドライン提案などが早急に必要だ。

(日経ビジネス2018年5月7日号より転載)

佐藤 一郎[さとう・いちろう]
国立情報学研究所
副所長

1996年慶応義塾大学大学院計算機科学専攻後期博士課程修了、98年お茶の水女子大学理学部助教授。01年国立情報学研究所に入所、17年から現職。

 街中や建物内に、普通にカメラが設置されるようになった。多くは防犯が目的だが、マーケティングへのデータの応用も試みられている。

 背景には、カメラの高性能化、小型化、低価格化が進んだことがある。画像分析やAI(人工知能)技術の発展で識別する精度も向上している。2022年に世界の監視カメラ設置台数が10年前の5倍の1億1000万台以上になると予想する民間調査もあるが、急速な市場拡大が見込まれる。

 先進国において、防犯カメラの導入で先行したのは、英国と米国である。都市部の犯罪率やテロリスクが高かったこともあるが、法制度や歴史、公私がはっきりと分かれ、公共の場での監視にあまり抵抗感のない文化性などが、個人識別・監視の容認を後押しした。

 海外で近年、カメラによる個人識別や行動監視の普及が目覚ましいのは、中国とされる。英国の作家、ジョージ・オーウェルの監視社会を描いた「1984年」的な世界観が受け入れられているのかもしれない。ただ、防犯カメラの運用について一般的に伝えられている情報をどこまで信じるかについては、慎重であるべきだろう。この分野では実際の性能より過大にアピールした方が、犯罪などを抑止する効果が表れるからだ。

 世界的に見て治安が良い日本では、これまで防犯カメラで映像を撮っても、利活用せずに消去することが多かった。ただ、最近はマーケティングなどへの応用が期待されている。

2022年、市場は10年前の5倍に
●監視カメラの世界市場推移
注:矢野経済研究所調べ、22年は同社HPより抜粋
監視カメラが街中に広がり、ビジネスにも応用される

顔識別データも個人情報に

 高度成長期やバブル期、企業は均質なマス市場を前提にマス広告で対応すればよかったが、個人のニーズは多様化している。店舗などに設置したカメラで顧客を識別し、どういった動線をたどり、どの商品を手に取ったかといった行動を観察することで、きめ細かなマーケティングを実現したいという需要が出ている。

 Facebookなどのソーシャルネットワーキングサービスは個人の関心事や嗜好に応じて表示する広告を選ぶが、広告主からその広告効果の有無をきちんと測定することが求められている。将来は店舗などに設置したカメラを使い、広告表示後に消費者が来店したかどうかなどの効果を調べ、それに応じて広告料を変えるといった新たな事業モデルも想定されるだろう。

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