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「宇宙ゴミ」除去サービスの商機を見逃すな

技術開発だけでなく法整備も必須

2018年5月22日(火)

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無数の「宇宙ゴミ」の危機

 軌道上サービスとは聞き慣れない言葉かもしれないが、潜在的な市場規模は急速に拡大しつつある。例えば軌道上で衛星に燃料補給して寿命を延ばしたり、衛星の軌道を修正したり、壊れた衛星を軌道の外に除外したりするサービスが考えられる。

 近い将来、地球の軌道上には無数の衛星が飛び交う時代がやってくる。例えば米グーグルは米スペースXと組んで、また米国の宇宙ベンチャー「OneWeb(ワンウェブ)」は通信大手の米クアルコムや日本のソフトバンクグループと組んで、数百から数千基の小型衛星を打ち上げ、それぞれをつなぎ、全世界を網羅するインターネット網を構築しようとしている。

 現在、衛星などにぶつかったら致命的とされる大きさ(10cm以上)のデブリだけでも、約2万個あると推定されている。それらが秒速約7.5kmというすさまじい速さで軌道上を周回している。そのうちの一部は、「間違いなく日本が出した」といえるデブリである。

 デブリは人類が衛星を打ち上げ始めてからわずか60年の間にたまってしまった「宇宙のゴミ」であり、現在も有効な解決策がないまま増え続けている。デブリが互いに、もしくは人工衛星などに衝突し、この時に生まれたデブリが連鎖的に次の衝突を起こす「ケスラーシンドローム(加速度的なデブリの自己増殖)」が起きる直前の状況だと指摘する科学者もいる。

 これ以上デブリを増やすわけにはいかない。小型の衛星の寿命は短く、衛星ビジネスを手掛ける企業はいずれ、衛星が壊れたら自ら除去することが各国法などで義務付けられるだろう。

 そうなれば、壊れた衛星の「デオービット(軌道上からの除去)」が必要不可欠なビジネスとなる。いつか人類が宇宙に移住することを考えても、デブリが増え続ける宇宙環境は放置できない。国のインフラにかかわる衛星を守るためにも、デブリの監視や除去が喫緊の課題となっている。

デブリ関連サービスに着目するアストロスケールの岡田光信CEO(最高経営責任者)(写真=つのだよしお/アフロ)

 こうした中、日本でもアストロスケール(東京・墨田)というベンチャー企業がデブリ回収事業を計画中だ。ただ、民間企業がこのデブリ除去を手掛けようとする場合、技術上の課題をクリアできたとしても、損害賠償などのリスクが大きなハードルとして残る。

 日本で2016年11月に成立した「宇宙活動法」は、先行する欧米に倣い、ロケット打ち上げ時の地上損害については強制保険および政府補償制度を定めている。国民の安全を守るとともに産業振興の意図が色濃く出ている。

 しかし、宇宙空間で起きた損害については対象外となっている。つまり民間企業が軌道上サービスで事故を起こした場合、会社が潰れてしまうような損害賠償責任を負う可能性がある。任意保険でのカバーも現状では難しい。

コメント5件コメント/レビュー

こういう仕事は日本に合っているように思うが、凝り性の日本は、効率的なお掃除が苦手なようにも思う。突拍子もない合理的な方法でささっと掃除する方法を考え出せるのかな。そしたらすごいんだけど。(2018/05/22 17:23)

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「「宇宙ゴミ」除去サービスの商機を見逃すな」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

こういう仕事は日本に合っているように思うが、凝り性の日本は、効率的なお掃除が苦手なようにも思う。突拍子もない合理的な方法でささっと掃除する方法を考え出せるのかな。そしたらすごいんだけど。(2018/05/22 17:23)

1950年頃のスペースデブリというと、V2ミサイルの残骸かな(笑

冗談はさておき、スペースデブリの発生を規制しつつ損害補償をする宇宙法整備は宇宙開発を推進する各国の連携が欠かせないように思います。確かに英国のような国家補償制度が成り立てば、宇宙事業の運営保障が強化されるので宇宙関連企業としては美味しいでしょうが、政府としては諸刃の剣になりそうです。特に現状では中国やロシアのような、スペースデブリを最も多く発生させておきながら責任を取らない国もありますから。

>宇宙ゴミなど、放置すれば、土星の輪のようになるだけ
ケスラーシンドロームとニュートン力学について少しでも理解があれば、決してそんな事にならないのが分かるはずですよ(2018/05/22 16:29)

このような事業に大金をつぎ込むなど、現時点では考えられないと思う。
宇宙ゴミなど、放置すれば、土星の輪のようになるだけであり、大きな問題ではない。(2018/05/22 11:56)

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