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ドイツの輸出が強いのは同族企業が強いから

2016年12月1日(木)

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 日経ビジネス11月14日号特集「出光、トヨタ、サントリー創業家の作法」では、同族経営の強さと危うさを描いた。日本最大級の非上場企業である、サントリーホールディングスが、将来も会社への思いを共有できるように、創業家メンバーが定期的に集まる勉強会を始めたことも報じた。同社が参考にしたのは、北欧フィンランドにある食品企業の創業家の取り組みだ。欧州は歴史的に同族企業が強く、経済を支えてきた伝統がある。

 ドイツ系で、世界で事業展開するコンサルティング会社、サイモン・クチャーアンドパートナースの創業者、ハーマン・サイモン会長は、ファミリー経営の中堅企業の研究を長く続けてきた。取材に答えて「ドイツが輸出国として成功しているのは、知られざる中堅企業のグローバル展開のおかげだ」と話し、日本など他国も参考にできると説いた。ただ11月、トランプ氏が米大統領に当選したことを受けて、「米国の保護主義は、米国そして世界全体の経済にとって危険だ」と、懸念を表明した。

(聞き手は鈴木哲也)

ハーマン・サイモン 世界でコンサルティングを展開するサイモン・クチャーアンドパートナースの創業者で会長。1947年、ドイツに生まれる。米ハーバード大学、ロンドン大学、慶應義塾大学などのビジネススクールで客員教授も務める。主な著書に『価格の掟』(中央経済社)、『グローバルビジネスの隠れたチャンピオン企業』(同)がある。

独自の強みをもつ中堅・中小企業を「隠れたチャンピオン」と定義して、長年分析を続けてきたそうですね。隠れたチャンピオンとは、おおむねどんな条件で定義しているのですか。

サイモン:まずは特定の分野で世界市場のトップ3に入っていること。売上高は5000億円未満。そして一般的にはあまり知られていないということです。

そういう会社は、世界にどのくらいの数があるのでしょうか。

サイモン:あくまで私が特定したものですが3000社くらいあります。そのうち約1200社以上はドイツの会社です。日本は220社くらいです。

犬の首輪ひもからパイプライン検査まで

日本やドイツでは、どんな会社が含まれますか。

サイモン:例えば日本では、浜松ホトニクスという会社がありますね。光電子増倍管で圧倒的な世界シェアをもちます。臨床検査装置など幅広い分野で使われる、光センサーです。

 ドイツでは面白い会社で、フレキシという会社があります。飼い犬の首輪につけるひも(リード)を、つくっていて、世界でトップシェアです。伸び縮みする性能に定評があり、世界中で使われているのです。また、ローゼンという会社は、パイプラインの検査システムで、グローバル市場のリーダーになっています。

GDP(国内総生産)で言えば、ドイツよりも日本の方が大きいのですが、世界で稼ぐ中堅・中小企業の数は日本が少ないということになりますね。

サイモン:GDPは日本が世界3位で、ドイツは4位。人口は日本がドイツより5割ほど大きい。しかし国の輸出額では、ドイツは日本のほぼ倍の規模があります。この違いは、ドイツの中堅・中小の起業家らが、いち早く自力でグローバル化を進めてきたということにあるのではないでしょうか。ドイツは、もともと小さな州が集まってできているという成り立ちもあって、歴史的に起業家は自分の州から出て、さらには国境を越えてグローバル展開しようという意識が強いのですね。

 もちろん日本でもトヨタ自動車、ホンダ、ソニー、パナソニックといった大企業は立派に世界展開していますが、中堅以下の国際化は、まだ十分ではありません。ドイツの輸出の多くは中堅以下の企業が担っているのです。中堅以下の企業が、国家の輸出総額に大きく貢献しているのは、ドイツと中国の特徴です。他の先進国などをみると、日本のように大企業に集中する傾向がみられます。

サイモン氏が定義した「隠れたチャンピン」がドイツ経済に貢献しているということですが、「隠れたチャンピン」は同族企業が多いのですか。

サイモン:約70%がファミリー企業だと思います。残り30%の内訳は、10%が株式を公開していて、10%はプライベートエクイティ(投資ファンドなど)が保有し、10%は大きな企業グループに属する企業というイメージでしょう。

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「ドイツの輸出が強いのは同族企業が強いから」の著者

鈴木 哲也

鈴木 哲也(すずき・てつや)

日経ビジネス副編集長

日本経済新聞社で小売業、外食のほかビール、化粧品、衣料など消費財関連を幅広く取材してきた。03~07年はニューヨークに駐在。企業報道部デスクなどを経て、15年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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