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糸井さんが引退しても多分、ほぼ日は大丈夫

レオス・キャピタルワークス藤野社長が見たほぼ日(後編)

2018年11月29日(木)

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 糸井重里さんが主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」は今年で20周年を迎えた。コンテンツや商品の幅が広げ、さまざまなイベントも開催している。またほぼ日は、2017年3月には東京証券取引所のジャスダック市場に上場した。

 ほぼ日を率いる糸井さんは、事業、人、組織、上場、社長業について何を考え、どのように向き合ってきたのか。糸井さんに語ってもらった内容を一冊にまとめたのが書籍『すいません、ほぼ日の経営。』)だ。

 本書の中にある糸井さんの言葉の数々には本質的な考えが数多く散らばり、働き方や会社のありようにとどまらない示唆に満ちていた。本連載では、糸井さんやほぼ日を知る人に、『すいません、ほぼ日の経営。』をどう読んだのか、そして企業としてのほぼ日や経営者としての糸井さんをどう見ているのかを聞いた。

 連載第1回に登場するのはレオス・キャピタルワークス社長でありCIO(最高投資責任者)の藤野英人氏。レオス・キャピタルワークスは現在、ほぼ日の発行済み株数の6.27%を保有する株主でもある。投資家として、また経営者として、藤野氏にとってほぼ日と糸井さんの魅力は何か、話を聞いた(今回はその後編)。

 またツイッターなどのSNS(交流サイト)で、「#すいません経営」を付けて、本書の感想や印象に残った言葉をつぶやいていただければ、余すところなく著者の川島さんと糸井さんにお届けします。詳しくは特設サイト「すいません、ほぼ日の経営。を読む」をご覧ください。

レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長(写真左、撮影/竹井俊晴)

インタビューの前編(「ほぼ日とアマゾン、フェイスブックの共通点」)では、ほぼ日の経営が実はアマゾンやフェイスブックに共通する部分がある、というお話をうかがいました。

藤野氏(以下、藤野):糸井さんのすごいところはたくさんあるのですが、「何でこうなっているんだろう」ということに対する好奇心とそれを突き詰める力は特に優れていると感じます。

 もともと糸井さんは、言葉を扱うコピーライターですが、昔から「垂直的なものを全部倒していた」のではないかと思うのです。

平面にしていたということですか。

藤野:抽象的な表現になりますが、イメージとして糸井さんは、縦の人ではなくて横の人だと思うのです。つまり、現実で起こっている垂直的に縦に積み上げられているようなもの、たとえばビジネスというものを、横に倒して水平にして見ることをやってきた。

 組織のつくり方や人の働き方についても、「偉いぞ」「強いぞ」「金があるぞ」といった垂直的な価値観を横に倒して、水平的な価値観の中で、かたちにしていこうとしています。

 縦のものを横にして、水平的な価値観の中で、物事をとらえる。糸井さんはそれを、コピーライター時代には言葉で実践していて、今はほぼ日の経営の中でやっているのではないでしょうか。

 読者の中には、「なぜコピーライターが経営者になったのだろう」と思っている人も多いはずです。ただ僕は、根本は同じところにあって、何ら矛盾するところはないと感じています。

 「ほぼ日手帳」についても、水平的なものであるととらえることができます。

 仕事だけのスケジュールのように単一で縦に流れている時間ではなく、あらゆるものが水平で横に流れている時間というイメージがあって、その中に「LIFE」という日々の暮らしをのせていく。

 それが「ほぼ日手帳」なのではないでしょうか。そうすることで、過去も現在も未来も同列で見られるし、仕事も趣味も、それ以外のことも盛り込めます。

あらゆるものを水平にとらえることができるのが手帳というお話、うなずけます。

藤野:糸井さんは、主観と客観の旅みたいなことをいつもやっているし、乗組員にもそうなってほしいと願っている。僕はいつも、それを感心しながら見ています。

 主観でぐっと寄ることもあれば、客観で一気に引くところもあって、そこを何度も往復している。短い時間でものすごい勢いで往復していることもあれば、割とゆっくりと、思いを寄せたり引いたりしているところもある。あれは、できそうでできないことだと思います。

 同時に糸井さんは、「うっかり」や「油断」という言葉をよく使います。それは、自分で良くないと分かっているのに、様々な社会の流れや意識によって、そちらの方向に吸い込まれてしまうことを指しているんです。

 自分の中にある、人間が誰でも持っている、ある意味の「悪さ」みたいなものを常に意識していて、そこに向かわないようにと心を配っているのでしょうね。

社員に向けて糸井さんご本人が話をする「水曜ミーティング」や、毎週金曜をひとりで考える時間とする「インディペンデントデー」を設けている背後にも、その思いを感じます。

藤野:例えば、「インディペンデントデー」では、社員に向けて、「間合い」や「空間」を取ってほしい、答えをすぐに出しちゃうのは決していいことではない。そういう糸井さんの思いを伝えるためにあるのではないでしょうか。

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「糸井さんが引退しても多分、ほぼ日は大丈夫」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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