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農産物輸出拡大のカギは「ニーズ調査」

2017年12月12日(火)

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 少子高齢化で国内の人口減少が進む中、農産物の海外輸出拡大は重要な取り組みだ。しかし、「日本産」の商品をただ海外に輸出するだけでは、現地の消費者は見向きもしてくれない。現地の生活習慣や嗜好を調査し、ニーズを適確に捉えることが成功への近道だ。

 11月11日、シンガポールのショッピングセンターに「いらっしゃいませ。試食をどうぞ」と呼びかける日本人の声が響いた。呼びかけたのは、新潟農業大学校(新潟市)の生徒で、現地の人に差し出したのは、スプーンに入った白米だ。この米は、学生とクボタが協力して育てた「いただき」という品種の業務用米だ。

シンガポールのショッピングセンターで米を販売する新潟農業大学校の学生

 いただきは、日本で販売されている米に比べて、粘りと甘みが少ない。毎日おいしい米を食べている日本人にとっては美味しいとは言いがたい米だ。

 しかし、シンガポールで流通している米の多くは、パサパサした食味が特徴のタイ米で、粘り気のある米は少ない。そのため、いただきは粥を食べる文化を持つ中華系のローカルにはニーズが高い。さらに収穫量が多いという特徴がある。クボタアグリソリューション推進部の高橋元担当部長は「海外の人には十分に満足できる味で、買いやすい価格で提供できる」と話す。

 実際、11日は90キロの米を用意し、現地で流通している日本米の半分ほどの価格である1キロ5.6シンガポールドルで販売したところ、飛ぶように売れ、午後6時には完売した。生徒は「こんなに売れるなんて思わなかった。安い米でも海外で売れるんですね」と目を輝かせていた。

 高級米じゃないと売れない――。そういったイメージの強かった米に対する意識は少しずつ変わり始めている。海外でも日本食が一般的になり、寿司のような高級店だけでなく、丼やおにぎりなどを提供する手ごろな店が急増している。そうした中で、需要が増えるのが、日本で食べるような甘みと粘り気があり、手ごろな価格で買える米だ。ベトナム産の米も品質は向上しつつあるが、「日本産に比べると、甘みが足りない」(シンガポールで飲食店を手がける企業の調達担当者)。さらに足元では、シンガポール人の食に求めるレベルが上がっており、中長期的には美味しい米で料理を提供しているかどうかが、店の人気を左右するかもしれない。

 ただし、美味しければ、高くてもいいというわけではない。価格は重要だ。現地の飲食店グループのある責任者は「シンガポールは地代だけでなく、人件費も高い。材料にお金を増やす余裕はあまりない」と話す。

「農業で解決 日本の課題」の目次

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「農産物輸出拡大のカギは「ニーズ調査」」の著者

長江 優子

長江 優子(ながえ・ゆうこ)

日経ビジネス記者

2012年中日新聞に入社し、事件取材などを担当。14年秋に日本経済新聞社に入社し、機械業界などを担当。17年4月から日経ビジネス編集部に出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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