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コンビニが数週間でフライパン30個を売った

セブン&アイの「オムニセブン」、潜在需要はある

2016年11月29日(火)

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日経ビジネス2016年11月28日号

 長らく実店舗(リアル)に根ざして来た小売業は変革を求められている。ビジネス構造を「本当の」オムニチャネルへと大転換する変革だ。小売業がネット通販を手がけ、複数の販路を築くだけでは「マルチチャネル」止まり。複数のチャネルで同一の顧客情報や商品・在庫情報を共有できて、初めてオムニチャネルと言える。

 リアルとネット通販の境界が溶けたビジネス構造へと変革すると何ができるのか。日経ビジネス2016年11月28日号特集「本当のオムニチャネル セブン、丸井、アマゾンの挑戦」では、奮闘する小売りの最前線を追った。オンライン連載の第2回では、苦悩しながらもオムニ戦略の確立に向けて模索を続ける、セブン&アイ・ホールディングスと、傘下のセブンイレブン加盟店の取り組みを紹介する。

 伸び悩む利用実績、加盟店から聞こえる冷めた声——。セブン&アイ・ホールディングスが、ネットと実店舗の融合を目指した「オムニセブン」。2015年11月の立ち上げから1年が経つが、いまも産みの苦しみが続いている。井阪隆一社長は2016年10月の記者会見で、オムニセブンについて「失敗」と表現。抜本的な見直しの上、再出発する意向を示した。

 セブン&アイが今後、オムニチャネル戦略の軸に据えるのは「リアル」だ。井阪社長は従来のオムニセブンがうまくいかなかった要因のひとつに「ネット通販を中心に据えていた」ことを挙げた。今後はセブン&アイ傘下のコンビニ、スーパー、百貨店などを訪れる1日2200万人という顧客資産をいかに生かしていくかを最優先に考えて、サービスを組み立てる考えだ。

 この点は、前進ではある。単なるネット通販なら、サイトの使い勝手や品揃えで先行したアマゾンや楽天市場が立ちはだかるからだ。一方で「ネット通販とリアルの組み合わせ」であれば、セブンイレブンには全国1万9000を超える店舗網があり、何よりの武器になる。では、「組み合わせ」あるいは「融合」とは一体何なのだろうか。もっとも分かりやすい組み合わせは、ネットで注文した商品を店舗で受け取ることだ。

 共働き世帯が増えたことにより、昼間は留守の多い世帯が多くなっている。独身女性では、玄関口までの配送をためらうケースもあるだろう。「ネットで頼んで、自宅まで配送」というこれまでのネット通販のありかたに加え、オムニセブンのように「幅広い商品を、自宅近くのコンビニで受け取れる」というサービスには、潜在的な需要が必ずある。

 この事実を証明する事例が、九州にある。

店舗がオムニセブンの利便性アピール

 戦前、国内屈指の石炭の産出地として知られた筑豊地方。麻生太郎副総理の地元としても知られるこの地で、セブン−イレブン・ジャパン本部も驚くほどの成果をあげた加盟店がある。かつて石炭の積み出し港として繁栄した北九州市若松区にある、セブンイレブン若松古前店、若松今光店だ。

 その成果とは、通常コンビニでは取り扱いのないフライパンを、数週間で約45個売ったというもの。今年の3月中旬から4月初めにかけて、若松古前店で15個、若松今光店では30個を売った。取り組みの武器となったのがオムニセブンだった。

 「実店舗で棚に並べられる商品はせいぜい約2900アイテム。オムニセブンなら、何千倍の商品が取り扱い品目に加わる。これはチャンスだと思った」。両店を経営する松島啓時オーナー(39)はそう語る。オムニセブンは認知度が低く、販売や受け取りが伸び悩んでいた。そこで松島オーナーは、お客を待つのではなく、店舗から積極的に利用を呼びかけることにした。

店頭を訪れた顧客に対し、積極的にオムニセブンの存在をアピールしている(セブンイレブン若松古前店、撮影:飯山 翔三)

 オムニセブンを知ってもらうには、実店舗だけでは実現できない便利さを感じてもらえばいい。まずはコンビニの棚には並んでいない商品を買ってもらうのがいいだろう——。

 そう考えた松島オーナーが、重点的に売り出すと決めたのがフライパンだ。フライパンならどんな家庭でも必ず持っている。ただ買い換えどきがわかりづらく、古くなって不便なまま使い続けている世帯も多い。セブンイレブンでは「フライパンだけでおかず一品が完成する」と謳うPB(プライベートブランド)調味料の販売に力を入れている。フライパンなら、こうしたコンビニ取り扱い商品との相乗効果も見込めた。

コンビニでフライパン300種類取り扱い

 松島オーナーが調べると、オムニセブンで買えるフライパンは、セブン&アイ傘下のスーパーや百貨店、専門店の取り扱う商品で、合計300種類を超えた。松島氏は焦げ付きなどを防ぐコーティング加工の特徴や違いを調べ、独自のマニュアルを作成。接客アイデアとあわせてアルバイト・パートの従業員とも共有した。

 このマニュアルを活用したことで、店舗での接客時には、家族構成や普段の料理スタイルなど、お客にあったフライパンを提案できるようになった。売り場には料理雑誌と並べてフライパンの現物を展示するなど、フェアの雰囲気を演出するのにも力を尽くした。

レジ横に「イトーヨーカドー 春のフライパンフェア」と書くなどして、雰囲気を盛り上げた

 その結果が「数週間で45個」という成果だ。お客からは「セブンイレブンでフライパンが買えるの?」との驚きの声もあがったという。オムニセブンを知らなかったお客が初めてオムニセブンについて知り、便利さを実感してもらえた形だ。

コメント6件コメント/レビュー

記事はおもしろかったが、
北九州市若松区はどう考えても麻生氏の地元の筑豊地区ではない。
何が言いたいのか不明だし、地図くら確認して記事を書いて欲しい。(2016/11/30 11:47)

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「コンビニが数週間でフライパン30個を売った」の著者

藤村 広平

藤村 広平(ふじむら・こうへい)

日経ビジネス記者

早稲田大学国際教養学部卒業、日本経済新聞社に入社。整理部勤務、総合商社インド拠点でのインターン研修などを経て、企業報道部で自動車業界を担当。2016年春から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事はおもしろかったが、
北九州市若松区はどう考えても麻生氏の地元の筑豊地区ではない。
何が言いたいのか不明だし、地図くら確認して記事を書いて欲しい。(2016/11/30 11:47)

丸井の店頭ネット販売といい、セブンイレブンのフライパン販売といい、ネット通販に対する小売の形は一つ見えたのではないか?

実際に手に取って確認してみないと買えない消費者は多いと思う。いかにシミュレーションしても実際に手に取ってみないことには、サイズ、重さの感覚はわからないものだ。靴が良い例で、普通の人にとっては履かずに買うことはまずできない。

今までは、ネットで見て気になった商品を店舗で見て、問題無ければネットで注文していたと思う。
オムニチャネルの仕組みをもう少し進化させれば、そういった消費者を取り込むことができるはずで、その数は少なくないはずだ。(2016/11/29 17:43)

先日の丸井はネットと実店舗の融合という点で有効だと思ったが今回のは意味を殆ど感じない。コンビニに行ってネット通販の発注をしてコンビニに商品を受け取りに行く?自分には理解できない作業になる。(2016/11/29 16:57)

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