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認知症か?怨念か!自ら書いた遺言を疑った母

「争う族」を避けるため長男にすべて相続させるはずが…

2018年2月8日(木)

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 こんにちは。私は相続を生業としている弁護士や税理士等の専門家で組織された協会、相続終活専門士協会の代表理事を務める江幡吉昭と申します。本連載では、我々が幾多の相続案件の中で経験した事例を何回かに渡ってご紹介したいと思っています。

 伝えたいことはただ一つ。どんな仲が良い「家族」でも相続争いに巻き込まれると「争族(あらそうぞく)」になってしまうということです。そこに財産の多寡は関係なく、揉めるものは揉めるのです。そうならないために何が必要なのでしょうか?具体的な事例を基に、考えてみたいと思います。

 今回は、自分で書いた遺言に驚いた母親のケースです。全財産すべてを長男に相続させると自ら決めていた母親を心変わりさせた要因はなんだったのでしょうか、詳しく見ていきましょう。

「長子が跡継ぎ」という昔ながらの考えに基づき、全財産をすべて長男に譲ると宣言していた母親。その内容を自ら遺言に書いていたが、ある事件をきっかけに母親は豹変した。原因は認知症なのか?それとも怨念なのか!

●登場人物(年齢は相続発生時、被相続人とは亡くなった人)

 被相続人 母(89歳、都内在住)
 相続人 長女(66歳、都内在住)
 相続人 長男(63歳、都内在住)
 相続人 次男(62歳、都内在住)
 相続人 次女(60歳、都内在住)

●遺産 現預金5000万円、自宅8000万円、生命保険多数

 今回の相続人である母親は、亡き夫が30年以上経営してきた会社を夫の死後に引き継ぎ、10年近く切り盛りしていました。空調設備の会社で、規模もそれなりに大きく、100名近い従業員がいます。

 そんな母も長男が経営者として成長したということで、70代で会社を長男に譲り、一線を退きます。母が保有していた自社株もすべて会社に金庫株という形で譲り(会社にとっては自社株買いということになります)、経営からはきっぱり退きました。

 あっさりと退いたのには理由がありました。

 夫が死亡した後、夫の兄や妹との間で会社の主導権争いが長く続き、他の兄妹が別会社を作る形で決着した経緯があったのです。そうです、この母親は「争う族」を経験していたのです。

 そこで母は同じような争いは2度と起こしたくないと考え、自らはすっぱりと退職し、さらに自分で時間を見つけて自筆証書遺言を書きました。自筆証書遺言には「自宅も、現預金もすべて長男に譲る」という内容で書きました。中途半端に財産を分割することなく、会社を継いだ長男にすべてを譲りたいと思ったのです。

 その代わり、他の子どもたち(長女、次男、次女)には家を建てるお金を贈与したり、生命保険も多数契約したりしたので、問題は起きないだろうと考えたのです。

コメント16件コメント/レビュー

コメントに被相続人と相続人を間違えているとあったが間違えてないと思う。
被相続人は死んだ人、相続人は残された子供で合ってます。(2018/02/09 10:58)

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「認知症か?怨念か!自ら書いた遺言を疑った母」の著者

江幡 吉昭

江幡 吉昭(えばた・よしあき)

相続終活専門士協会代表理事

相続・終活の専門家。住友生命保険を経て、英スタンダードチャータード銀行で最年少シニアマネージャーとして活躍。2009年、富裕層の資産運用・税務・財務管理を行う「アレース・ファミリーオフィス」を設立

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

コメントに被相続人と相続人を間違えているとあったが間違えてないと思う。
被相続人は死んだ人、相続人は残された子供で合ってます。(2018/02/09 10:58)

記事では遺言書だけでもあてにならないということが書かれていますが、対策はかかれていません。記事の通りなら、兄弟たちも長男に財産を譲ることを納得していたようです。なら、財産の相続放棄の手続きを長男以外にとってもらうことで、遺言書の内容をより確実にすることができるのではないでしょうか?このあたり専門家である筆者の江幡さんに解説してもらいたいです。(2018/02/08 21:18)

私は3年半前から、当時95歳で要支援2の老母が面倒みて欲しい様なので500kmほど離れた我が家に妻を残して一人帰郷した。我が家の跡取りであった兄が父親の大反対を押して婿入りしたため、残された男子である私が「跡取り」となったのは大学卒業間際の事だった。次男坊で自立できれば良い、という育てられ方をしていた私にとっては「ありがた迷惑」な話だった。兄からは、『多分父親が先に行き、母の一人暮らしが難しくなったら面倒は見るから、墓だけはよろしく頼む。』と言われていて、私も『それなら』と引き受けたのだった。しかし、現実には兄の婚家の両親が亡くなった後でも母は兄の家の世話にはなりたく無かったらしい。母は兄から面倒を見るとの申し出があったことすら覚えていなかったから、軽い調子で打診したのだと思う。母は結局『他人の家』で世話になる場合の居心地の悪さが嫌で一人暮らしを続けたのだと思われる。私が帰郷する度に、『いつ戻って来るのか?』と聞く母は私の帰郷に期待しているのだと思われた。一人暮らしがかなりしんどそうになった3年半前に、私も決心して妻と別居して単身帰郷した。妻は、私が米国に単身で長期出張していた時に家の法事で呼び出されて母に散々こき使われた事を『虐められた』と言って、以降決して私の帰郷には同行しなくなっていたので一緒に移住することは拒否された。私が実家で家事を受け持つ様になって、直ぐに気付いたのは母がやたらと私に命令したがる事だった。そう言えば、帰郷の度に舅や小姑にも散々こき使われた事を繰り返し聞かされていたが、『今度は自分の番だ!』と期待していたのに私しか来なかったので期待外れではあったが、私を嫁代わりに使い回したかったのだと思い当たった。私は本気で怒り、自分と母に上下関係はなく、対等であり、互いに尊敬し合う必要性を説いた。私は、何となく『ババを引かされた』印象が強い。妻との別居生活は生活費も余計に掛かり、大変なのだが、母からは一言もない。そんな母から、何も財産はないけれど、家は私に、土地は兄に相続したいと聞かされたのは帰郷間もない頃で、聞かされた私は驚愕した。家は築30年で正直言って至極不便だし断熱性能は最悪だから建て替えようと思っていたのに。(2018/02/08 13:05)

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