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モラハラ夫と実家の未婚姉に責められ続けた妹

相続問題は被相続人の生前から始まっている

2018年2月22日(木)

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 こんにちは。私は相続を生業としている弁護士や税理士等の専門家で組織された協会、相続終活専門士協会の代表理事を務める江幡吉昭と申します。本連載では、我々が幾多の相続案件の中で経験した事例を何回かに渡ってご紹介したいと思っています。

 伝えたいことはただ一つ。どんな仲が良い「家族」でも相続争いに巻き込まれると「争族(あらそうぞく)」になってしまうということです。そこに財産の多寡は関係なく、揉めるものは揉めるのです。そうならないために何が必要なのでしょうか?具体的な事例を基に、考えてみたいと思います。

 今回は元夫と実の姉に、精神的にボロボロにされてしまった方のケースです。

元夫によるモラハラから逃げるために離婚したが、実家にいた未婚の姉にも精神的に責められ続け、自ら考えることができなくなってしまった妹。相続したはずの数千万円もの遺産も従妹に使い込まれた揚げ句、貧相な施設で最期を迎えた

●登場人物(年齢は相続発生時、被相続人とは亡くなった人)

 被相続人 雅子さん(仮名、60歳、千葉県在住)
 相続人 雅子さんの息子(36歳、東京都在住)
 雅子さんの両親(すでに死亡)
 雅子さんの別れた夫(70歳、千葉県在住)
 雅子さんの姉(すでに死亡)
 雅子さんの従妹=父の妹の娘(62歳、茨城県在住)

●遺産 自宅なし、現預金250万円

 家族が遺産を巡って「争う族」になる──。その原因に金額の多寡は関係ないと常々申し上げておりますが、まさに今回のケースなどはいい例でしょう。被相続人は雅子さんという女性で、相続額は現金で250万円でした(本当は数千万円以上もあったのに、後述する理由でここまで減ってしまった)。彼女は二人の人間のせいで、不幸にも自ら思考しない性格になってしまいました。一人は夫。そしてもう一人は実の姉です。

 雅子さんは20代の時に一度、結婚しています。夫が今でいう“モラハラ夫”であったため、子供が幼稚園の時に夫から逃げるように離婚しました。当時、存命だった彼女の両親が、夫の目に余るハラスメントに業を煮やし、雅子さんと彼女の子供を連れ出したのです。

 雅子さんの元夫は彼女に手を上げるのはもちろん、度重なる言葉による叱責で彼女の自尊心を失わせるような行動を繰り返していました。夫と別居を始めた数年ののち、正式に彼女は夫と離婚することができました。

 しかし雅子さんは夫に奴隷のように扱われた経験からか、精神的に非常に弱い人になってしまいました。また、離婚後は一緒に暮らしていた彼女の親も亡くなって、独身だった姉と暮らすことになりました。

 結局、姉とは20年以上に渡って同居することになったのですが、その姉もモラハラ夫に似たタイプでした。姉は雅子さんを女中のように扱っていたのです。姉は丸の内の大きな会社に総合職として勤めるキャリアウーマンのはしりのような人で、未婚で子供もいません。姉は昼間、仕事に出ているので家事などはすべて雅子さんに任せっきりでした。

コメント15件コメント/レビュー

今回の事例は、「生前に母の預金をチューチューと吸っていた長女」事件の類型だが、仮想敵たる相手は相続人ですらなくなった。結果、「争族」でもなんでもない、オレオレ詐欺や新興宗教に財産を巻き上げられた、などと同列の話に成り下がっている。

「争族」と銘打っていながら、これまで取り上げられた事例のほとんどは相続人同士で争っていない、だから事例の悲惨さがちっとも伝わってこない。
「争続」の悲惨さの本質は、相続額の多寡ではない。争いが長期化する、人間関係が壊れる、そして何よりも被相続人の思い、被相続人への思いがないがしろにされる、、、このあたりをきちんと説明してほしい。(2018/02/23 12:21)

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「モラハラ夫と実家の未婚姉に責められ続けた妹」の著者

江幡 吉昭

江幡 吉昭(えばた・よしあき)

相続終活専門士協会代表理事

相続・終活の専門家。住友生命保険を経て、英スタンダードチャータード銀行で最年少シニアマネージャーとして活躍。2009年、富裕層の資産運用・税務・財務管理を行う「アレース・ファミリーオフィス」を設立

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今回の事例は、「生前に母の預金をチューチューと吸っていた長女」事件の類型だが、仮想敵たる相手は相続人ですらなくなった。結果、「争族」でもなんでもない、オレオレ詐欺や新興宗教に財産を巻き上げられた、などと同列の話に成り下がっている。

「争族」と銘打っていながら、これまで取り上げられた事例のほとんどは相続人同士で争っていない、だから事例の悲惨さがちっとも伝わってこない。
「争続」の悲惨さの本質は、相続額の多寡ではない。争いが長期化する、人間関係が壊れる、そして何よりも被相続人の思い、被相続人への思いがないがしろにされる、、、このあたりをきちんと説明してほしい。(2018/02/23 12:21)

「後妻業の女」という映画がある。大竹しのぶ演じる妖艶な悪女が男ヤモメの資産家の老人に次から次へと取り付き、家族の知らない間に籍を入れたり遺言書を書かせたりで遺産を横取りするストーリーである。
その悪女に天罰を下し観客の溜飲が下がると思いきや、被害にあった家族に「私らが本当にお父さんに寂しい思いをさせなかったらこんなにはならなかった」「自分たちに悪いところがなかったと言いきれるのか」「よくよく考えたらお父さんのお金はお父さんのもの、誰に残そうが本人の自由」と語らせ、相続問題が単純でないことを訴えかけている。
確かに、当の老人もそれで人生の輝きを一瞬でも取り戻すことができたとすれば、全財産をつぎ込もうと本望かもしれない。その心は他人には分からない。
この映画を筆者もコメント諸氏もご覧あれ、さすればもうこのコラムは必要ないに違いない。(2018/02/22 22:46)

親が金を持っているのに、親を放置するというのはマネーのセンスがなさすぎです。
相続人が自分しかいないからと油断したのでしょうね。
半年に一回でもいいから顔を出していれば未然に防げたのに勿体ないです。
金持ち親の一人息子/娘はこの事例を教訓とすべきです。(2018/02/22 21:14)

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