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男女卓球で挑戦者が日本一、難しい王者の戦い方

チャンピオンになった過去の記憶が立ちはだかる

2018年1月27日(土)

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 挑戦者の気概と王者のプライド。東京体育館で行われた卓球の日本選手権、最終日(1月21日)、男女のシングルス決勝はまさにそんな気持ちの激突だった。

卓球の日本選手権、男子では14歳の張本智和選手が10回目の優勝を目指す王者・水谷隼選手を4対2で下して優勝した。(1月21日、写真=田村翔/アフロスポーツ)

 何かが変わる。いや、まだ何も変わらない。
落ち着かない予感が試合前から漂っていた。

 まず先に行われたのは女子の決勝だった。前回覇者の平野美宇選手(エリートアカデミー)に伊藤美誠選手(スターツ)が挑んだ。ジュニア時代から覇権を争ってきた17歳同士の対戦だった。今大会の伊藤は絶好調だった。準決勝では5回目の優勝を狙う石川佳純選手(全農)を4対1であっさりと退ける。攻撃的な卓球が第一人者の石川を終始防戦に追い込んだ。

 そんな伊藤を相手に平野の苦戦は必至だと思った。伊藤の好調はもちろんだが、平野は準決勝から頭をかしげながらプレーしていた。ベテランの永尾尭子選手(アスモ)に4対3で何とか勝ったが、表情はさえなかった。何かを探しながらプレーしていたが、それが見つからずに、あるいはつかめずにもがいていた。

 だからこのままでは伊藤にやられる。そう思ってこの決勝を見ていた。

 結局、平野はそれを取り戻せなかった。伊藤が次々に繰り出す一瞬速いストローク(ライジング)に翻弄され、まったく持ち味が出せなかった。伊藤の「美誠(みま)パンチ」と呼ばれるバックスイングのない超高速の反応(返球)が面白いように決まった。

 平野も意地で何とか1セットを取ったが、この試合は伊藤のものだった。4対1で伊藤が初のチャンピオンに輝いた。

 「優勝を目指してやってきたんですが、一試合、一試合、集中してやるということを心掛けて戦いました」

 「(自分のプレーを)思い切ってできたことが一番良かったのかな…と思いますし、とてもうれしいです」

 とにかく思い切って攻める!
インタビューで語った伊藤の言葉が、挑戦者の姿勢であり、突破力の本質だと思った。平野が探し続けていたのは王者の戦い方であり、勝っていた時の記憶だと感じた。それゆえに相手との戦いが自分との戦いになってしまう。私にはそんなふうに映った。

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「男女卓球で挑戦者が日本一、難しい王者の戦い方」の著者

青島 健太

青島 健太(あおしま・けんた)

スポーツライター

5年間のプロ野球生活の後、オーストラリアで日本語教師となる。帰国後、スポーツライター、テレビキャスターとして活躍。現在は、鹿屋体育大学、流通経済大学、日本医療科学大学の客員教授として教鞭をふるう。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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