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サッカー代表、西野監督の「とぼけ」が選手救う

仕事にも通じる一流の人心掌握術

2018年7月7日(土)

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サッカーW杯ロシア大会で日本代表は7月2日(現地時間)、ベルギーに逆転負けを喫した(写真:AP/アフロ)

 夏草や兵どもが夢の跡

 そんな芭蕉の句が思わず口をつくほど、ベスト16で散ったサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会での日本代表の戦いが、悔しくもあり、懐かしくもあり、また誇らしくもある。

 ベルギーに2対3で負けた後、ピッチから目を離すことができなかった西野朗監督の姿が、忘れられない。しかし、残念な敗戦の一方で、短期間でチームをベスト16まで引き上げた西野監督のチームマネジメントは、評価されるべきものだろう。

 

 予選リーグで「3戦全敗の可能性もある」と予想されていた。そんなチームが決勝トーナメントに進出。その要因は、もちろん選手たちの頑張りによるものだが、「おじさんジャパン」と揶揄された日本代表が持てる力を十二分に発揮した裏には、西野監督のチーム運営と巧妙なマネジメントがあったことは間違いないだろう。

 日本代表が取った戦術やフォーメーションなど、技術的な解説はサッカーの専門家に任すとして、本稿では「私たちの仕事にも通じるチームマネジメント」「勝つための組織づくり」という観点から西野監督が取った行動を考えてみたいと思う。

 それは、即効性があって、全体が有機的に動くチーム作り。西野監督の言動を整理すると、次のような態度が見えてくる。

 「語るべきは理想 やるべきは現実」

 

 まだワールドカップW杯の記憶が新しいので、ここは時系列に彼の取ったアクションを追いかけていこう。

 

 まず注目したいのは、代表23人のメンバーを発表する時に「ポジション」を決めることなく(呼ぶことなく)、メンバーを発表したことだ。その意図を汲み切れなかった日本サッカー協会の事務局が、メンバー表に「FW(フォワード)」や「MF(ミッドフィルダー)」という文字を入れたことが、西野監督には気に入らなかった。

 

 メンバー選考にあたっては、「ポリバレント」という言葉を出して、複数のポジションをプレーできることを基本的な条件にしたと語った。「ポリバレント」は、日本代表のオシム元監督が提唱した考え方だ。各選手が複数のポジションをこなすことによって、ゲームの中でも状況に応じて流動的に動き、しかもお互いが連動する有機的なサッカー。それをオシム氏は「日本を日本化する」と表現した。そのベースになるのが「ポリバレント」。

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「サッカー代表、西野監督の「とぼけ」が選手救う」の著者

青島 健太

青島 健太(あおしま・けんた)

スポーツライター

5年間のプロ野球生活の後、オーストラリアで日本語教師となる。帰国後、スポーツライター、テレビキャスターとして活躍。現在は、鹿屋体育大学、流通経済大学、日本医療科学大学の客員教授として教鞭をふるう。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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