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山口メンバー、アルコール依存の怖さ体現

意志が「弱い」のではなく意志が「破壊される」

2018年5月8日(火)

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 学校法人「加計学園」や自衛隊の日報問題などの解明を求めて国会で野党の審議拒否が続いた4月下旬、テレビ各局のワイドショーは、とある芸能人のニュース一色に染まってしまった。

 人気グループTOKIOの山口達也メンバーが酒に酔って女子高校生に無理やりキスし、強制わいせつで書類送検されたとNHKが4月25日に報じたことがきっかけだ。なぜ事件から2カ月も経ってからNHKが急に報じたのかという疑問も残るし、大切な政治のニュースが芸能人の示談も成立している事件で吹き飛ばされるという報道の姿勢にも不快感が禁じ得ないが、今回はそれを問題にしたいわけではない。

失態が発覚し謝罪するTOKIOの山口達也メンバー(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 精神科医の立場としては、サバイバルというテーマでこのコラムを書く以上、依存症の怖さをこの場を借りて伝えたいし、今回は、残念なことであるが、その典型例だと考えるからだ。

 さて、本人がその治療のために入院していることを(依存症としてかどうかははっきりさせていない印象だが)明かしているので、多少は話題にのぼっているが、山口氏(不起訴も決まり、私は病人とみなしているのであえて、この呼び方をする)は、精神医学の診断基準に当てはめる限り、アルコール依存症であると考えられる。

 精神科の世界で汎用される最新の診断基準であるDSM-5によると、アルコール使用障害(以前はアルコール依存と呼んでいたが、DSM-5からこの診断名となっている)という病名は、11ある項目の中で2つ以上が12カ月以内の間に当てはまる場合に、つけられることになっている。(診断基準はここ

 さて山口氏は、報道を読む限り複数の項目が該当する。具体的には1つ目の項目である「アルコールを意図していたよりしばしば大量に使用する」、2つ目の「アルコールの使用の減量や制限に努力の不成功がある」、4つ目の「アルコールに対する渇望」(退院してすぐ飲むのだからこれも当てはまるだろう)、6つ目の「アルコールの作用により、持続的、または反復的に社会的、対人的問題が起こっているのに、その使用を続ける」、9つ目の「身体的、精神的問題が反復的に起こっているのにアルコールの使用を続ける」、そして焼酎を一升飲むということだから、元と同じ量のアルコールでは酔えないという耐性(10番目の項目)も当てはまるだろう。

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「山口メンバー、アルコール依存の怖さ体現」の著者

和田 秀樹

和田 秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

精神科医。『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(自己心理学)などが専門。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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保岡 興治 元法相、自民党憲法改正推進本部特別顧問