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“油断”か“あきらめ”か、失い続ける日本

進む英語力の崩壊、国際化と逆行

2017年7月25日(火)

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 3か月に一度、精神分析の勉強のためにアメリカに行っている。学者主導で旧態依然とした日本の精神分析と比べて、アメリカでは、それで「飯を食っている」人が多いため、患者たちの変化に合わせて、あるいは、認知行動療法の人気に対抗すべく、精神分析の理論や実践がフレキシブルに変わる。それを習いに、尊敬できる先生のもとに勉強に通っているのだ。

 余談になるが、その日本の精神分析学会から、学会の方針などを決める運営委員に推薦され、立候補を勧める手紙が来た。多少は現状に危機感を感じて、最近の動向を知る気になったのかと立候補したら、ものの見事に最下位で落選だった。1位と2位の人は私の10倍以上の票を取っていたが、留学経験も英文の論文の実績もない人だった。今回立候補した中で英文の査読論文(編集委員がジャッジして採用を決める論文)の実績がある精神科医(英文の論文のある心理士の人も立候補していたが、その人は当選していた)は、私と京都大学の岡野憲一郎先生(日本で私が信頼できる数少ない精神分析医である)だけだったが、岡野氏の地元の近畿地区で最下位落選(関東地区で落選した私の4倍くらいの票を取ってはいたが)だった。日本というのは学会であっても、新しいものや旧来の理論を否定されるのには相当な抵抗があるようだ。

日本製トイレをしのぐアメリカの公衆トイレ

トイレやカーナビ、自動車。日本が強いとされていた産業分野が失われつつある。(©Puwadol Jaturawutthichai-123RF)

 精神分析の勉強のためにアメリカに行くと、その度に発見がある(私が気付くのだって少し遅れるが、日本の多くの人は気付いていないはずだ)。

 今回の発見は、トイレとラジオとカーナビだ。

 トイレについては、ウォッシュレットが世界中で売れ始めたこともあって、日本は最先端と考えられている。確かにアメリカではかなりいいホテルに泊まってもウォッシュレットになっていないし、色々なところのトイレは日本のほうが格段にきれいだ。そもそも公衆便所がアメリカは少なすぎて、私のように歳を取って尿が近くなった人間にはつらい。

 しかし、その公衆便所の男性用トイレが、かなりの割合で「ウォーターフリーテクノロジー」というものになっている。水で流さないのに臭くならないし、汚れもつかないという便器である。水が少ない国が多い中、資源の有効利用という点では高く評価できるし、恐らく小便器の分野では日本製より世界的にずっと売れることだろう。

 的確な無駄遣いの対策という点では、以前はペーパータオルが自動で出てくる機械が手洗いに設置されていることが多かったが、今はダイソンの手の乾燥機がかなり入っていた。ダイソンはいろいろな分野で積極経営をやっているようで驚かされた。

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「“油断”か“あきらめ”か、失い続ける日本」の著者

和田 秀樹

和田 秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

精神科医。『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(自己心理学)などが専門。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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