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CEOは「文化のキュレーター」だ

『Hit Refresh』から読み解く、マイクロソフトのしたたかな復活戦略(第4回)

2018年1月29日(月)

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 1990年代に入って、マイクロソフトは高利益のビジネスモデルを確立し、WTA(Winner takes all=独り勝ち状態)を完成させていった。基幹製品のWindowsやOfficeを数年に一度更新すると、顧客が必ずそれを買ってくれる状況が、1995年から2010年くらいまで続いていた。そうした状態の中で、成長マインドセットが失われていき、マイクロソフトといえども、セクト主義あるいは社内政治のための抗争が起きて、文化が荒廃していった。今回は、サティア・ナデラの近著『Hit Refresh』を通じて、マイクロソフトがどのように組織文化を再構築していったのかを見ていきたいと思う。

 マイクロソフトの将来について、社内で停滞感と危機感が広がっていた2014年に、サティア・ナデラは新しいCEOに就任した。

 ナデラがCEOになって精力的に取り組んだのが、企業文化の再構築だった。ナデラは、CEOのCは「カルチャーのC」であり、CEOの役割というのは文化のキュレーター(Curator of Culture)というふうに表現している、さらに彼は、「3つのC」が最も大事だと指摘している。そのCとは、コンセプト(Concept)、ケイパビリティー(Capability)、カルチャー(Culture)である。この3つのCを明確にして組織を引っ張っていくのが、CEOの役割だとしている。

 私はCEOになる前からこう決めていた。私たちは、新たなテクノロジーや新たな市場に、積極的かつ集中的に投資を続ける必要がある、と。だがそのためには、三つのCを十分に考慮しなければならない。胸を躍らせるような「構想(concept)」、その実現に必要な「能力(capabilities)」、新たなアイデアやアプローチを受け入れる「文化(culture)」である。(『Hit Refresh』chapter 6より)

 実は、本連載の第1回でも指摘したことだが、ここでも(傍流からの)内部昇進者の強みがよく現れている。良いコンセプトとは、現場の話を傾聴し、贅肉をそぎ落として、自分の観点でまとめ上げてつくるものだ。ナデラは、社内で部署を異動するたびに、特に傍流のBingから本流のサーバー事業の責任者に抜擢された時、「社内のよそ者」としてこれを経験してきた。2番目のケイパビリティーについては、傍流の社内昇進者であるからこそ、自社の強みと弱みを客観的に把握できている。これら2つに対して、3つ目のカルチャーは、経営者個人の意向がより強く反映される。

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「CEOは「文化のキュレーター」だ」の著者

根来 龍之

根来 龍之(ねごろ・たつゆき)

早稲田大学ビジネススクール教授

早稲田大学ビジネススクールのディレクター(統括責任者)と早稲田大学IT戦略研究所所長を兼務。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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