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外資系ビジネスマンと子どもをつなぐ「居場所」

2018年1月12日(金)

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 東京都中央区。大手企業も数多く本社を構えるこの地の一角で開催される小さな学習会がある。そこでは外資系企業のビジネスマンらが、低所得家庭の子どもたちに勉強を教えている。シングルマザーの家庭も多い子どもたちが大人たちと接する中で、単なる勉強の知識を超えた大切なものを得ている。そして同時に教える側の大人たちにも大きな変化が起きている。

中央区で生まれる新たなつながり

 東京都中央区新川。2017年、暮れも押し迫った12月の月曜夜、オフィスや飲食店が混在する街の一角の小ぶりなビルの7階で、英語教室「イングリッシュドライブ」が開かれていた。この日は高校生が対象で、男女6人が参加していた。彼らに「期末テストはどうだった?」などと語りかけ、マンツーマンで英語の指導にあたるのは、ボランティアの大人たち。半数は会社帰りのスーツ姿のビジネスマンだ。

 その中に山田隆の姿があった。「自動詞と他動詞の違いは分かるかな?」。山田の説明に女子高生がうなずきながら、聴き入っている。

 実は、山田は自身が務める日本IBMからこの教室の存在を知らされ、参加をすることを決めた。

ひとり親家庭の子どもの5割が“貧困”

 英語教室を運営するのは貧困家庭の子どもを対象に学習会を展開する NPO法人キッズドア。厚生労働省の2016年の調査では、日本では現在、子どもの7人に1人が貧困状態にあるという結果が出ている(1人当たり年間122万円以下で暮らす、相対的貧困を指す)。その数に驚く人も多いが、ひとり親家庭に絞ると、実に子どもの2人に1人、5割が貧困状態にある。

 貧困と家族の問題は根深いところで絡んでいるのだ。

 ひとり親家庭の場合、親がパートをかけもちしているなどの理由で不在がちというケースも多い。「弟や妹の世話で勉強の時間がなく勉強が苦手」「家が狭くて勉強をする場所がない」――。キッズドア理事長の渡辺由美子は学習習慣がなく、勉強で遅れを取った子どもたちの姿を数多く見てきた。また母親以外の大人と接した経験が乏しく、大人と普通に会話ができないという子も少なくないという。

 低所得の家庭の子どもたちが高校に進学できなかったり、高校に進んでも中退したりするなどの理由で、結果的に自分が就きたい仕事に就けず、社会になじめない。その結果、また貧困に陥っていく……。「『貧困の連鎖』を防ぐためには、まずは生きていくうえで必要な学力を身に付ける必要がある」。そう考えて渡辺はキッズドアを設立した。

 キッズドアは現在、中央区新川の本部をはじめ、東北や東京など63カ所で学習会を開催する。指導に当たるのは、大学生や主婦、ビジネスマンたちだ。その数は1100人にも上る。

「「家族」を考える」の目次

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「外資系ビジネスマンと子どもをつなぐ「居場所」」の著者

村上 富美

村上 富美(むらかみ・ふみ)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス編集委員を務めた後、リアルシンプル日本版副編集長、日経ヘルス・プルミエ編集長、エコマム編集長など女性向けの雑誌づくりを経験。2017年4月から日経ビジネスに副編集長として復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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