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教育格差の解消に挑む日本唯一のUWC校

第36回 「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン」が始動

2017年10月17日(火)

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 「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)」は、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)に加盟、2017年8月1日付で「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン」に校名を変更した。

 UWCは、159の国・地域で子供を選抜してUWCに加盟する高校に送り込む国際的な教育機関。本部はロンドンにあり、1962年の設立ですでに半世紀を超える歴史を持つ。加盟校がある地域は、イギリス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルメニア、南アフリカ、アメリカ、カナダ、コスタリカ、インド、タイ、シンガポール、中国、香港。17校目として、日本からUWC加盟校が誕生した。

 代表理事の小林りんがUWCにコンタクトをとり始めたのは2014年の開校前、もう5年近く前のことになる(参考記事:『教育の潮流は「社会にインパクトを与える人材の輩出」だ』)。

 小林自身もカナダにあるUWCピアソン・カレッジで学んでおり、「多様な価値観のなかでお互いを認め合い、違いを乗り越えていく」というUWCが掲げるミッションに共鳴していた。

 ついに実現したUWCへの加盟で、学校にどんな変化が起きているのか。また、UWCは日本校に何を期待するのか。

(これまでの経緯はこちらを参照)

 2017年9月23日、軽井沢の全寮制インターナショナルスクール「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK)」のキャンパスは、あでやかなドレスに身をまとう女子生徒にスーツでビシッと決めた男子生徒、着物や民族衣装を着る生徒で、華やいだ空気に包まれていた。この日は、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)への加盟を祝う式典が開催された。これまでグリーンを基調としていたスクールカラーは、UWCに合わせてブルーに一新している。

「人生で重要なのは2日だけだ」

 「今日は、私個人としても、とても特別な日です」

 冒頭の挨拶で、代表理事の小林りんは自身が全額奨学生としてカナダのUWCピアソン・カレッジに入学したときの原体験を語った。最初は英語がほとんど話せなかったこと、そこで出会ったメキシコから来た友人の実家の質素な暮らしぶりに驚いたこと、そして、初めて足を踏み入れたスラム街で目の当たりにした世界の現実・・・。

 「今でも、あの蒸し暑い夏の日の臭い、そして情景を鮮明に覚えています。裸同然で走り回る子供たち、シンナーを嗅いだり家の前に座り込んで宙を見つめたりしている大人たち。本や映画で知ってはいましたが、実際に貧困と格差に直面して、私はかつてない衝撃を受けました」

 「私は、あの日、自分に巡ってきたすべての運は、自分のためではなく、社会の役に立てようと決意しました。『人生で重要なのは2日だけだ』と、私に言った人がいます。1日は、自分が生まれた日。もう1日は、自分の人生の目的を見つけた日です。メキシコを訪れた夏の日が、私にとっての『その日』になったのです」

 会場は大きな拍手に包まれた。その列席者には、UWC会長であるヌール・アル=フセイン王妃の代理として次女のラーイヤ・ビント・アル=フセイン王女をはじめ、世界各地から訪れたUWC関係者、軽井沢町長の藤巻進、そしてUWC ISAKの理事や評議員、支援者の姿があった。

UWC加盟を喜ぶ、代表理事の小林(右から2人目)と発起人の谷家衛(左から2人目)

 「UWCの一員となり、さらなる多様性の高まりでUWC ISAKの豊かさが増すのが楽しみです。そして、私たちはUWCの恩恵を受けるだけでなく、貢献していくことをこの場で約束します」。小林は力強い言葉で締め括った。

 UWC国際理事会の理事長であるジョン・ダニエル卿も晴れやかな笑顔で登壇した。「多様な価値観でお互いを認め合う教育を実践するUWC ISAKが加盟することは、UWCの活動に多くの好影響をもたらすでしょう。そして、小林りんさんのように、UWCの生徒だった人が新しいUWC校を設立することを誇りに思います」。

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「教育格差の解消に挑む日本唯一のUWC校」の著者

小林 りん

小林 りん(こばやし・りん)

UWC ISAK代表理事

国連児童基金(UNICEF)勤務時にフィリピンに駐在、ストリートチルドレンの非公式教育に携わる。2007年に発起人代表の谷家衛氏と出会い、学校設立をライフワークとすることを決意、09年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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