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「後出しじゃんけん」は究極の繁盛術

店の経営は素直にシンプルに考える

2018年12月4日(火)

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新著『たった3品で繁盛店はできる!』が好評の楽コーポレーション(東京・世田谷)宇野隆史社長は、これまで数百人を超えるメンバーを独立させてきた。独立したメンバーの繁盛店は、後に続くメンバーにとって最高のお手本だ。ところが、中にはお手本をまねることをためらうメンバーが時折いるという。宇野社長は「そんなのもったいない」と話し始めた。

 「後出しじゃんけん」で負けるなんてあり得ない――。誰だってそう思うんじゃないかと思うけど、うちの店の子たちを見ていると、後出しじゃんけんであえて「負ける」子が結構いるんだよね。目の前にグーが見えているのに、チョキを出しちゃう。どういうことかって言うとさ。独立したときに繁盛店にする道が「見えて」いても、あえてその道を選ばないで別のことをしちゃうんだ。

 うちは独立した子たちがつくった繁盛店を、これから店を出そうという子たちがすごく参考にする。身近で働いていたスタッフが繁盛させている店なんだから、こんなに確かな「教科書」はないわけでしょ。一流の腕を持つシェフがいる人気フレンチレストランがあってもうちの子たちはマネできないけど、先輩たちの店はどんなに繁盛していたって自分たちにもできることをやっているわけだからさ。オレはその「教科書」通り、マネをするのが一番いいと思っているわけ。

 最近、独立したある子はさ。すごい繁盛店をやっているOBの店の名物、トンペイ焼きを取り入れているの。トンペイ焼きってのは、豚バラ肉を薄焼き卵で包んだ料理だけど、OBの繁盛店ではカウンターに座ったお客さんの目の前の鉄板で「ヨイショー! ヨイショー!」って掛け声をかけながら肉を卵で巻いていくから、ものすごくライブ感があって店全体が盛り上がるんだよね。

 トンペイ焼きを取り入れた子はさ。自分なりのアレンジをして「親子巻き」ってメニューにして、鶏肉を卵で包んでいるんだけどね。オレが、「鶏と卵は原価率を抑えられるから、絶対使った方がいいぞ」っていうのを覚えていたみたいでさ(笑)。それで、気後れせずに先の繁盛店のマネをして、料理を作りながら「ヨイショー! ヨイショー!」とやっている。やっぱりすごく盛り上がってお客さんも「いいね」って楽しんでいてさ。ほとんどのお客さんがそのメニューを頼んでいて、独立したばかりの子の店でも強力なメニューになっているんだ。

楽コーポレーションOBの店「ニューヨック中野」(東京・中野)の看板料理のひとつ「親子巻き」を店主の坂野善一氏が作っているところ。やはりOBの店である「BAKAWARAI じゅん粋」(東京・吉祥寺)のメニューとその提供法を参考にした(写真:大塚千春、右も)
「親子巻き」は、豚肉を鶏肉に変えたトンペイ焼きで鉄板の上で肉に卵を巻いていく。「ヨイショー! ヨイショー!」と声を掛けながら巻くため、ライブ感あふれる一品になる

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「「後出しじゃんけん」は究極の繁盛術」の著者

宇野 隆史

宇野 隆史(うの・たかし)

楽コーポレーション社長

78年、楽コーポレーションを設立し、東京・経堂に居酒屋「くいものや汁べゑ」などを開く。88年、株式会社に改組し、社長に就任。現在は、首都圏に約20店を展開する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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