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スタッフが生き生きと働くケーキ屋

「パティシエ エス コヤマ」の巻

  • 日経BP総研 中小企業経営研究所

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2018年2月15日(木)

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 連載第1回目は、ロールケーキ「小山ロール」で全国的に知られる、パティシエ エス コヤマ(兵庫県三田市)。六甲山系を望む三田市ののどかな新興住宅地に構えた本社には、全国から、買い物客だけでなく、「ここで働きたい」と就職希望者がわざわざやってくる。そこにはどんな魅力があるのか、同社の社長でもある小山進シェフに聞いた。

ケーキ作りと同時に人間作り

小山 進(こやま・すすむ)氏。
1964年京都府生まれ。神戸の「スイス菓子ハイジ」で16年間経験を積み独立。2003年、兵庫県三田市に「パティシエ エス コヤマ」をオープン。11年にパリC.C.Cコンクールにショコラを初出品以来、7年連続最高位を獲得

小山さんにとっての「採用」のポリシーとは?

小山進さん(以下小山):若い人たちに、「自分もエス コヤマの一員になりたい」と思ってもらうためには、まずは店自体がお客様の人気を途絶えさせないことが大切だと思っています。つまり、人気のあるお店を作り続けるということです。「おいしい」なんてことは当たり前で、お客様に「エス コヤマでなければダメだ」と思っていただき、この三田まで来てもらわなければなりません。

 そして、スタッフが堂々と誇りをもって働いていることが重要です。そんな先輩たちを見て、ここの一員として同じ舞台に立ちたいと思ってもらえるかどうか。だから、僕は社員にはいつも「人気のある人になろう」と伝えています。「お菓子も作るけど、自分も作ろうね。すてきな自分になろうよ」と言っています。

応募してくる若い人たちの特徴はありますか?

小山:丁寧に会話をする人、前もって準備をしてくる人が多い印象です。ただ、正直、家庭でも学校でも、きちんと教育ができていないのではと感じることも多い。ケーキが作れたらケーキ屋になれると思っている人が多いのですが、きちんと新製品を作り続けることのできるケーキ屋になろうと思ったら、ケーキ作りの技術よりも、日常生活の中で面白いことを切り取れるなど、そういった感性のほうが大事なんです。

 僕は新人が入ったら基本的な教育からやり直しだと思っています。例えば、姿勢やコミュニケーション能力といったことだけでなく、味覚もそうです。今の若い人は、日本特有の「うまみ」を正しく分かる人が少ない。僕がおいしいと思うものとのズレが多く、味覚から修正しなければなりません。

 「企業が学校をやったらダメだ」と言われることもありますが、できない人が多いのであれば、企業は学校から始めたらいいと思います。だから、僕は気になるところは細かく注意しますし、社員が苦手なことをクリアして自信がつくまで一緒にやりたい。それがエス コヤマの基本姿勢です。

テーマ特集:「働く」を考える 労働力人口の減少、終身雇用文化の崩壊、多様な働き方の登場…。そんな時代の変化を味方に付け、むしろ「ヒト」という経営資源を戦略的に扱うことで競争優位を築く企業が現れ始めています。企業と個人にとって「働く」ということを改めて問い直していきます。

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