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進化する学習法、英語教育の最前線

2018年1月27日(土)

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 仕事柄これまで様々な学習方法について調べてきましたが、この数年、英語教育の質がとても向上してきたと感じます。もちろん、それはまだ限定的で、広く普及しているわけではありませんが、最前線では間違いなく効果のある手法が実践されています。

 具体例として、最近私が驚いたのは、知り合いに誘われて参観したある中学の英語の授業でした。そのクラスは3年生のディスカッションのクラスでしたが、生徒たちは本当に「ディスカッション」と呼ぶにふさわしい流暢さと積極性で、英語でコミュニケートしていました。使用している英文はそれほど複雑ではありませんでしたが、英語で活発に意見を述べたり話したりしていること自体が、これまでの中学の英語教育では想像すらできないレベルでした。

 中でも私が驚いたのは、生徒の中に、might(もしかすると~かも知れない、may よりも確信度が低い)やIf I were・・(仮定法過去)など、現行カリキュラムでは完全に高校内容で、かつ日本人にはまず使えない表現を、正確に使いこなす生徒がいたことです。これは、これまでのように文法演習をチマチマとやっていては絶対に不可能で、内容や意味に焦点をおいたかなりダイナミックな訓練を行っていることが伺えました。

 そもそも、仮定法と呼ばれるものは、ほぼ完全に中学英語の知識で理解し、使うことが可能です。なぜなら、mightはmayの過去形に過ぎず、wereも中学で習うからです。さらに言えば、wouldはwillの過去形に過ぎず、would have doneは単にwouldと完了形の組み合わせに過ぎません。

 仮定法がややこしくなるのは、一つには「仮定法過去」とか「事実の反対」とかいった余計な説明をしつこく行って演習するためと、もう一つは必ずIfから始まる文を使って演習を行うからです。仮定法の本質は、そんなところにはありません。重要なのは、過去形に「これは私の想像ですが・・・」という意味があるという点です。ここをしっかりと押さえると、生徒はすんなりと深く理解してくれます(※)

(※)手前ミソで恐縮ですが、私の場合だと大体15~20分程度でこの点をカバーし、Ifを使った文章の説明までを行って、生徒から「分かりやすかった」という感想を引き出すことが出来ます。

 話を戻すと、私は彼らの使用する語彙にも大いに驚かされました、「dispute」などという、大人も知らないような語彙を適切な文脈の中で使っていたからです。

 また、特筆すべき点として、彼らはいわゆる帰国子女ではありません。なぜ分かったかというと、発音がうまくなかったからです。また、この中学校は公立中学で、私立中学ではありませんでした。

 さて、このように彼らの発話力は別次元、最先端といっていいレベルだったわけですが、彼らが、広く様々な話題について同じような流暢さで話せるかというと、それは無理だと思います。言葉の情報というのは膨大だからです。また、日常会話もそれほど流暢にはできないと思います。これも、実際に使用するという経験を多数重ねないとなかなか身に付かないからです。

 しかし、たとえ限られた話題についてであっても、高度な文法・語彙を使って積極的に英語で話す能力を身に付けることができるとすると、それが強力な起爆剤となって、発話力がどんどんと広がることは容易に想像できます。

コメント3件コメント/レビュー

英語学習教育が進んでいるのはすばらしいです。あとは、他の教育が国際化されることを期待したいところです。若い人には国外の人々と接する膨大な数のプラットフォームがありますが、文化的にそれらに参加するのは容易ではないですよね。まずは教壇に立つ教師が国際化する必要があります。教師が国際化するのは今の中高生が中堅教員になるころでしょうか?(2018/01/28 00:09)

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「進化する学習法、英語教育の最前線」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

英語学習教育が進んでいるのはすばらしいです。あとは、他の教育が国際化されることを期待したいところです。若い人には国外の人々と接する膨大な数のプラットフォームがありますが、文化的にそれらに参加するのは容易ではないですよね。まずは教壇に立つ教師が国際化する必要があります。教師が国際化するのは今の中高生が中堅教員になるころでしょうか?(2018/01/28 00:09)

残念だけど 英語教育なんか進化しない
明治->昭和ならいい音源が手に入るかどうか
ちゃんとしたネイティブスピーカーの話したやつを聞けるか?
みたいな進化はあったろうけど

語学は結局は量
もちろん会話にリソースを振るか読解に振るかで
見た目は変わるけど それは進化ではなく
「こんな文章が読めてすげえ」が
「こんなことまで話せてすげえ」に代わってるだけ

ゆとり教育はどっちつかずで、かつ授業料を減らしていたので
そういう意味では進化してるのかもしれんけど(2018/01/27 08:57)

私は塾の講師をしており、中学生の中でもいわゆる難関私立高校を目指す生徒を相手に英語を教えていますが、私の体感ではこの記事の内容とはむしろ逆で生徒の英語力が20年前と比べるとやや落ちているように感じています。最近の子供の傾向として文法や単語などすぐに点数に結果が表れるものは必死に覚えようとしますが、スピーキングなど直接英語の成績に関与しないものは全く勉強に取り組まず、学校の授業ではスピーキングの時間が増えているにも関わらずむしろ一番能力が落ちているのがスピーキングだと感じています。あまりにもこの記事の内容との違いが大きいので驚いています。英語教育の地域格差がかなり開いているのでしょうか。生徒たちは全国的に有名で東大合格者のランキングのトップ10以内の常連高校に高い確率で合格しているので中学生の中でも最上位層の子供だと思いますけど、英文和訳ならともかく英作文やスピーキングで仮定法を完全に使いこなせるほど理解している生徒は数えるほどしかいません。(2018/01/27 01:03)

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