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外国人に学ぶ最強の英語学習テクニック

ある「日本語の達人」の証言

2018年3月10日(土)

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 昨年、ある人の紹介で、日本人と変わらないレベルで日本語を操り、実際に日本の企業で活躍されている外国人の方とお会いする機会がありました。その方とは、そのあとも数回メールでやり取りしましたが、書く方も達者で、「言葉を学ぶ」という次元をとうに越え、日本人と変わらないレベルに到達しているのがよく分かりました。

 彼が日本語の勉強を始めたのは、何と20歳のときです。また、彼が言うには、日本語を学んだのは自分の国で3年間学んだのが主で、来日して日本で2年間学校に通ったものの、日本に来た段階ですでにかなり話せたので、さらに磨きをかけるため級友や先生と日本語で会話をするようにしていたそうです。また、ライティングについても日本の2年間でたくさんの添削指導を受け、それがとても役に立ったということです。

 母国にいたまま、たった3年でそれなりに話せるようになったというのはとても興味深い話で、当然ながら根ほり葉ほりその勉強方法を尋ねることになったのですが、彼のとった方法はある意味で斬新極まりないものでした。なぜなら、今の日本の英語教育の流れと完全に逆行するものだったからです。それは、また偶然、私が日本で実現できれば良いと考え、英語教育の問題など一夜にして解決すると30年来願っている方法と極似していました。

 前回に続いて、またもや炎上必定、「参考にならなかった」の山を築くことになりそうですが、20歳から自分の国で「外国語」として日本語を学び、今実際に日本において仕事をしている人が言う方法ですので、参考にする価値はあると思います。

 一点だけチェックがいるのは、私がお会いしたときには、彼はすでに数年日本に住んでいたという点です(現在29歳)。数年の滞在というのはとても大きく、5年以上海外で生活した人(帰国せずに頑張り通した人)は、かなりのレベルに到達します。しかし、そうはいっても、語学は何といってもやはり出発点が大切です。つまり、基礎、基盤。それを自国でしっかりと築き上げ、日本に来て磨きをかけたというのはやはり凄いことです。さて、では彼が取った勉強方法とはどんなものだったのでしょうか。

 まず第一に、それはズバリ、「母語をフルに活用した方法」でした。この点について、彼は当然のこととばかり、スラリとこう言ってのけました。「意味が分からないと言葉は身に付けようがありません。ですので、つねに母語を参照して、自分が学んでいる日本語がどういう内容を伝えようとしているのかを確認していました。ある程度のレベルに到達するまでは、母語による基盤作りが大切だと思います。でも、一定のレベルを越えると母語を使うことがマイナスになることも起こり始めます」―――実にリアルな言葉です。ただ、ひとつ注意しないといけない点は、彼が勉強し始めたのが20歳だったということです。もし、小学生低学年、さらには幼稚園から英語の授業をすべて英語で教えるとしたら、話は多少変わるのかもしれません。私自身は、母語優先・母語活用が近道であると考えていますが・・・。

 そもそも、英語科だけの授業で少しばかりオールイングリッシュにしたところで、相当集中的に行わない限り、生徒は無意識のうちに日本語で考えますし、ごくごく初歩的な内容ならともかく、少し高度な内容になると、この人が言うとおり、意味が明確につかめなくなります。

 唯一の利点があるとすると、それはある程度の動機付けになるということでしょう。しかし、その場合も、先生がしっかりとした話し方で生徒に鮮烈なインパクトを与えるというのが、大切な点ではないかと思います(※)

(※)もちろん、フィリピンのように、国語以外は全部英語で教えられ、日常生活においても英語が使われることが多いといったような特殊な環境では話は別です。でも、そのフィリピンにおいてさえ、とんでもない発音で、文法・語法的にも怪しい英語を話す人が結構いると聞きます。

コメント5件コメント/レビュー

外国語の「会話」能力の獲得は、運動能力=脳と体(耳目喉口下唇)の訓練以外の何物でもないと思います。知識・理論の記憶・理解では向上しないでしょう。英語教育でも読み書きと会話は別に議論すべきと思います。英語の利用目的や、人によって、年齢によって、母語能力の差によって・・好ましい訓練法は違うでしょうが、文法、語彙の知識があっても実践を伴わなければ会話力は向上しないでしょう。英語と一言で言うと、読み書き聴き話す全てが含まれてしまい、勉強法はこれ!と言うと、読み書き能力もコミュニケーション力も一緒に論じられてしまい水掛け論になりがちです。会話能力には音読とコーチによる実技トレーニングが重要なのは間違いないと思います。独学でも音読は出来ますが先生=コーチによる修正・指導と生の会話を通じた練習は難しいので、記事にある様な指導を日本の英語教育でも取り入れて欲しいと思います。機械的に数をこなす音読のフィジカルトレーニングが中心の英会話教室なら(間違えると恥ずかしいという)メンタルなハードルが下がるので良いし、学校教育も、週一回は1時間全員で教科書を音読が良いと思う。(2018/03/13 11:15)

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「外国人に学ぶ最強の英語学習テクニック」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

外国語の「会話」能力の獲得は、運動能力=脳と体(耳目喉口下唇)の訓練以外の何物でもないと思います。知識・理論の記憶・理解では向上しないでしょう。英語教育でも読み書きと会話は別に議論すべきと思います。英語の利用目的や、人によって、年齢によって、母語能力の差によって・・好ましい訓練法は違うでしょうが、文法、語彙の知識があっても実践を伴わなければ会話力は向上しないでしょう。英語と一言で言うと、読み書き聴き話す全てが含まれてしまい、勉強法はこれ!と言うと、読み書き能力もコミュニケーション力も一緒に論じられてしまい水掛け論になりがちです。会話能力には音読とコーチによる実技トレーニングが重要なのは間違いないと思います。独学でも音読は出来ますが先生=コーチによる修正・指導と生の会話を通じた練習は難しいので、記事にある様な指導を日本の英語教育でも取り入れて欲しいと思います。機械的に数をこなす音読のフィジカルトレーニングが中心の英会話教室なら(間違えると恥ずかしいという)メンタルなハードルが下がるので良いし、学校教育も、週一回は1時間全員で教科書を音読が良いと思う。(2018/03/13 11:15)

確かに朗読は母語を覚えるのに近い手法、つまりひたすら外国語の実例を目や耳に注入する方法で、そうしているうちにその中に規則性やルール(文法)を自発的に見つけ出し、それを元に応用してアウトプットしながら自分のものにしていく・・・ことができる人にのみ可能な学習法です。全てを母語の「訳語」「訳文」に置き換え、ルールを説明されないと何事も理解できない人が圧倒的に多いのが現実です。(2018/03/12 15:48)

 全く賛成です。
 小生既に還暦を超えており、嘗て旧式英語教育を受けました(自分で言うのも何ですが、受験英語の成績は極めて優秀でした)。しかし、就職して、英語を使う必要性が生まれましたが、全く話せませんでした。話せるようになったのは、基本文を徹底的に反復朗読して暗記してからです。正確に言うと、暗記というよりも、自然に口から出るようになるまで反復したのです。
 最近「詰め込み教育」反対の声が優勢で、アクティブラーニングなど色々な新機軸が唱道されています。しかし、基礎ができていない者にアクティブラーニングも何もありません。基礎は「詰め込む」しかないのです。英語に限らず、現在の大学生の多くは、高校の基礎が出来ていません。もう一度「詰め込み教育」を!です。(2018/03/12 13:27)

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