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日本人の英語力を短期間で革新する方策

英語教育の行方は?

2018年10月20日(土)

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(写真=PIXTA)

 東京大学が、英語の民間試験(外部試験)を入試に利用しないという方針を表明しました。これはすなわち、スピーキングテストを実施しないということで、その反響はかなり大きくなると予想されます。

 もし、他の大学も同じような判断を下した場合、英語教育に対するインパクトはとても大きく、スピーキング力向上の機運が弱まることも考えられます。このたびの決定の背後に、実際にどのような事情があったのかは知るよしもありませんが、私が想像するところについて簡単にご紹介し、合わせて、あまり複雑に考えなくても日本の英語教育を「一夜」にして確実に変えることのできる方法についてお話ししたいと思います。

トップレベルの大学はどちらでも良い。

 まず押さえておきたいのは、じつは、国公立も私学も最上位にランキングするような大学にとっては外部試験があろうとなかろうと、大した影響は受けないということです。これらの大学に行くような学生は、それなりに努力を積み重ねてきていますので、「素の英語力」においてもTOEICで500~600点程度は簡単に取りますし、スピーキングについても、本当に必要であると分かれば猛烈に学習して、卒業までにはそこそこ話せるようになると思われます。

 実際、私の知る限りでも、工学部の院生でありながらTOEIC730点に加えて、そこそこのスピーキング力を身に付け、難なくグローバル企業に就職した例や、文系で2年生から3年生への進級要件がTOEIC730点のところを、自力で勉強して難なくクリアーしていくという例があります。後者は、ほかでもないその学部の学部長をしていた方から直接お聞きした話です。

 いずれにせよ、「スピーキングテスト」という点だけから考えるのであれば、上位層の大学にとって、外部試験を導入するかしないかということは、それほど大きな問題にはならないように思われます。ではなぜ東大はあえて外部試験の導入を見送ったのでしょうか。私自身は、大所高所からの判断ではないかと考えています。

様々なバラツキ

 その一つ目の理由として、目的や規模の異なる様々な民間テストを活用するということに、大きな無理があるということが考えられます。目的という点では、例えば、TOEIC(これだけ取り上げて恐縮ですが)の場合、上でも触れたとおり、海外経験やビジネス経験のない普通の高校生でも、それなりに鍛えている人であれば「素の英語力」でかなりのスコアを取ります。その意味では、英語力の判定基準にすることはできるのですが、入試に関わるとなれば「対策勉強」をする生徒も出てきます。そうすると「中・高校生+TOEIC」となるわけですが、この組み合わせはやはり厳しいと言わざるを得ません。高校生、いや、下手をすると中学生が受験対策ということで、「benefits(福利厚生)」や「construction equipment(建機)」、「factory expansion(工場の拡張)」といった主にはビジネスの場面でしか登場しないような言葉を含む英文に取り組むことになるからです。

(※)実は、英検などもいつの頃からかビジネス寄りの英文を出題するようになっているのですが、TOEICほどにはビジネスに傾いていません。

コメント24件コメント/レビュー

詰め込む→アチーブメントテスト→繰り返し→応用力・創発力開発
これが真実なら日本の最高峰の大学は創造性に富み、英語を駆使したグローバル人材集団になる(なっている)のでしょう。きっと養われた応用力をもとに卓越したコミュニケーション能力を駆使し巧みな交渉力を持ち、世界平和もしくは世界的ビジネスに拠って人類の課題解決に寄与されていくことでしょうね。

凡人には現実が、想定される世界に近いと思えず、まだ最初の詰め込みが足りない、ゆとり学習の弊害なのかなと思ったりしました。(2018/11/01 02:23)

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「日本人の英語力を短期間で革新する方策」の著者

池田 和弘

池田 和弘(いけだ・かずひろ)

大阪観光大学国際交流学部教授

「学習者に優しい」をコンセプトに、認知言語学、レキシカル・グラマー、エマージェント・グラマー、並列分散処理など最新の知見を駆使して、受験英語と実用英語を融合。日本有数の英語学習法のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

詰め込む→アチーブメントテスト→繰り返し→応用力・創発力開発
これが真実なら日本の最高峰の大学は創造性に富み、英語を駆使したグローバル人材集団になる(なっている)のでしょう。きっと養われた応用力をもとに卓越したコミュニケーション能力を駆使し巧みな交渉力を持ち、世界平和もしくは世界的ビジネスに拠って人類の課題解決に寄与されていくことでしょうね。

凡人には現実が、想定される世界に近いと思えず、まだ最初の詰め込みが足りない、ゆとり学習の弊害なのかなと思ったりしました。(2018/11/01 02:23)

奥様とこの記事の話をしました。米国にいたころボランテイアの英会話に通ってて、ブラジルの子がアメリカのポップスの歌詞で勉強してます、といったら先生にそれはよくないといわれたとの事。正しくない表現や個人的に好ましくないと感じたんでしょうけど入り口として効果は大きいと思います。自分は洋楽好きだったせいもありボキャブラリはその分わずかですがあります。S&Gのアメリカに出てくるSaginawに仕事で関係したDow社の拠点があったり、ビートルズのTicket to rideでShe don`t care!と文法間違いしてたり。いい英語かどうかはあまり関係ないかもです。外国人が平家物語ではおかしいようにいい英語を決めるのは難しいかもです。
でも丸暗記はよいし効果絶大と思いますし、筆者の意見どおりスピーキングテストは愚ですね。(2018/10/31 11:37)

なぜ英語を勉強するのか?まずは動機付けが必要ですが、ひと月前まで小学生だった年齢では、いい高校に進学するためという受験目的に落ち着いてしまうのが大半でしょう。
社会に出て英語を話す場面を何度も経験して感じること、しっかりした英語を話す人は、日本語でもしっかり話す、確たる自分の考えを持って、それをロジカルに伝達することができるということに気づきました。英語だけが上手くても自分の考えをもたない帰国子女がビジネスの場で力を発揮できない例をいくつも見てきました。
また、これは私の偏見かもしれませんが、英語が話せる人は日本人であることに誇りを持ち、外国人とも平等に渡り合う気概をもっている傾向が強いことも感じます。つまり、自国の文化・歴史を大切にしながら海外と向き合う姿勢が何かの推進力を発生させているのではないでしょうか。言葉はあくまでTOOLであり、それをどう使って、何をするか?これを早く見つけさせる教育が必要だと思います。ホヤホヤの中学生には、まずは暗記も有効な手段ではありますが、その意味をどう理解させるか、その手間を惜しむことは英語嫌いを生むリスク大であると危惧します。(2018/10/30 13:25)

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