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役員を賠償リスクから守り攻めの経営を可能に

D&O保険とこれからのガバナンス

  • 牛島 信

バックナンバー

[1/5ページ]

2017年2月24日(金)

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 D&O保険が変わった。

 社外取締役にとって朗報である。社内取締役にとっても同じことだ。

 2015年7月、経済産業省のコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会の報告書が公表され、さらに2016年2月に国税庁からD&O保険料の税務上の取り扱いについての解釈指針が示されたことに起因している。

 いずれも、コーポレート・ガバナンスをさらに促進するためである。

 D&O保険(Directors’ and Officers’ Liability Insurance)とは、会社役員賠償責任保険のことである。保険会社と会社との契約により、役員を被保険者として、その行為に起因して被保険者たる役員が被る損害を填補する保険だ。目的は、役員等が直面する損害賠償リスクを補償することで懸念を払拭し、経営に専念してもらうことにある。

 上場会社の約9割は、D&O保険には加入している(2015年3月時点)。しかし、昨今の社外取締役を巡るガバナンス改革により、会社にとってのD&O保険の重要性はさらに増しているのだ。

 2015年6月、東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを策定したことにより、上場会社は事実上社外取締役2名の選任が義務づけられた。そのため、社外取締役や独立取締役を選任する会社は増加傾向にあり、社外取締役を複数選任している会社は、2016年7月現在で79.7%まで達している。上場会社にとって、社外取締役の人材確保は急務なのだ。

 ところが、社外取締役が増加する一方、グローバル化する企業活動に伴う様々なリスクを含め、株主代表訴訟や金融商品取引法等に基づく役員責任を追及する訴訟も増加傾向にある。

 このような状況の中で、ガバナンス向上に資する社外取締役等の人材の確保、役員就任環境の整備のため、D&O保険についての議論が発展してきたのだ。

 以下では、近年注目を集めているD&O保険の変容やD&O保険を活用したガバナンス改革について解説する。

D&O保険料の新たな取り扱いの概要

 2015年7月に経済産業省のコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会が「コーポレート・ガバナンスの実践-企業価値向上に向けたインセンティブと改革―」(以下「コーポレート・ガバナンスの実践」という)を公表したのを契機として、税務を含め、D&O保険料の取り扱いについて見直しが行われた。従来の取り扱いと新たな取り扱いの差異をまとめると、以下の表のとおりとなる。

従来のD&O保険料の取り扱い

 従来のD&O保険では、役員個人が保険料全体の約10%程度を負担していた。基本契約である普通保険約款に株主代表訴訟担保特約が付されており、会社が普通保険約款に係る保険料を負担し、役員個人が株主代表訴訟担保特約に係る保険料を負担していた。この役員個人が負担する株主代表訴訟担保特約に係る保険料が、D&O保険料全体の約10%だったのである。

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