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マネジャーの役割は管理・監督から触媒へ

ここ数十年のマネジメントスタイルの変遷を見る

2018年6月28日(木)

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 前回は、明治維新から150年間にわたる大きな流れを見ました。今回はここ数十年の流れを見ていきます。特に、新任管理職の皆さんにとって関心のある「マネジメントスタイルの変遷」について詳しく見てみましょう。これからの時代は、かつてのマネジメントスタイルが通用しなくなります。では、どうすればよいのか考察します。

高度経済成長~バブル期のマネジメントスタイル

 前回、「明治維新後の130年間は、日本の人口が爆発的に増大した異常な時代だった」とお伝えしました。特に、戦後の高度経済成長~バブル期は、人口が急増しビジネスがどんどん拡大した「いい時代」でした。「いつかはクラウン」「24時間働けますか」という、当時流行したコピーが示す通り、「人口急増・画一的社会の中で、よいモノを作って頑張れば売れる時代」だったわけです。

 この当時のマネジメントスタイルは、いわゆる「上意下達型」でした。経営者が具体的な指示・命令を下ろし、中間管理職はそれをかみ砕いてメンバーに伝える。そして、メンバーから上がってきた報告・連絡を経営者に伝える。このスタイルだと、中間管理職が行うマネジメントはそれほど難しくありません。ほとんど「メッセンジャー」のようなものですから。筆者が30年ほど前に社会人になった時、当時の上司たちは「上から下りてきた指示・命令」を「やれ!」と言っていただけでした。「やれ!」だけが自分の言葉です(笑)。

 まあ、実際にはメンバーが思い通りに動かずに「上と下の板挟み」になったりして、当時の中間管理職にもそれなりの苦労があったと思います。だから、当時のマネジメントは「心を鬼にして、いかに徹底度を高めるか」が大切だったのです。筆者は一時期金融系の企業に身を置いていましたが、金融業界も住友銀行や野村證券など上意下達の徹底度が高い企業ほど業績がよく、外部からも優良企業だと称賛されていました。

バブル崩壊~停滞期のマネジメントスタイル

 90年代になっていわゆる「バブル」が崩壊し、95年から日本経済は停滞期に入ります。97年には山一證券が破綻し、さらにアジア通貨危機などが発生したことから、それこそ一気に暗雲が立ち込めた感じでした。

 こうした中で、企業は防衛的な経営に移行していきます。売り上げが伸びない中で、なんとか利益を出そうとして、「省力化・合理化・コストダウン」に血眼になりました。この当時に普及したのが「数値目標徹底型マネジメント」です。

 経営者は、なるべく具体的な数値目標を設定して現場に下ろすようになりました。そして、中間管理職はどうなったか。「不在」になったというより「消滅」してしまったのです。では、どこに行ったかというと、現場に下りて「プレイングマネージャー」になったのです。

 プレイングマネージャーは、ハッキリとした数値目標が下りてくるため、どうしても目先の数字を追いかけるようになります。そのため、メンバーの育成やケアなどは後回しにし、「とにかく売れるものを売る」「数字の辻褄を合わせる」ことに懸命になりました。

 まだ「上意下達型マネジメント」が残っている企業も少なくありません。以前は、上意下達の徹底度が高いほど優良企業でしたが、現在の日本でそれをやっている企業は「ブラック企業」と呼ばれるようになりました。

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「マネジャーの役割は管理・監督から触媒へ」の著者

辻口 寛一

辻口 寛一(つじぐち・ひろかず)

クロスロード株式会社 代表取締役 コミュニケーション・コンサルタント

コミュニケーション・コンサルタント。「サ ポーティブリスニング」を提唱。「聞くこと」 から始めて対話力を強化する教育と、それに よってホワイトカラーの生産性を向上させる コンサルティングを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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