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相手に振り回されない「聞き方」

2018年7月5日(木)

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 ここまでのお話で、聞くことの大切さはよく理解していただけたと思います。しかし、「相手の言うことを何でもかんでも聞いていると、振り回されてしまって仕事にならない」という事態になりかねません。実は、一般的にイメージされる「傾聴」と、私が提唱している「聞くこと」は少々異なります。今回は、この点をお話ししていきます。

コミュニケーションの目的は「合意を形成すること」

 ここで、あらためてコミュニケーションについて整理しましょう。コミュニケーションの語源は、ラテン語の「communis(共通の)」「communio(交わり)」「munitare(舗装・通行可能にする=なめらかにする)」からきています。そこで私はコミュニケーションについて、「情報のやり取りと共に、情緒的なやり取りを通して、合意を形成していくこと」と定義しています。

 コミュニケーションが良好な状態とは、「合意が形成されやすい状態」のことです。実際に、何かをやろうとする時、すんなり合意がとれると「この人とはうまくいっている」と感じます。逆に、なかなか合意がとれないと「あの人とはうまくいかない」と感じますよね。

 ビジネスは、すべて合意の形成で動いています。マネジメントや営業活動、開発や管理など、すべての業務は、「人と人、企業と企業の間で、何らかの合意が形成される」ことによって進んでいくのです。この合意がスムーズに形成される状態にある時、「ビジネスがうまくいっている」と言えるわけです。

 それから、対話はコミュニケーション手段の一つであり、「会話によって合意を形成する行為」です。単なる「おしゃべり」とは違うのです。そして、対話力とは「会話によって合意を形成する能力」のことを言います。

合意を形成するには、どうすればよいか

 通常、コミュニケーションスキルというと、「伝える力」をイメージしがちです。実際に、多くの企業は社員教育に「伝える力」の研修を取り入れています。しかし残念ながら「伝える力」だけをいくら鍛えても、コミュニケーションは良好になりません。双方が伝えることばかり考えていると「対話」ではなく「言い合い」になってしまいます。これでは、スムーズに合意が形成されるようにはなりませんよね(苦笑)。

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「相手に振り回されない「聞き方」」の著者

辻口 寛一

辻口 寛一(つじぐち・ひろかず)

クロスロード株式会社 代表取締役 コミュニケーション・コンサルタント

コミュニケーション・コンサルタント。「サ ポーティブリスニング」を提唱。「聞くこと」 から始めて対話力を強化する教育と、それに よってホワイトカラーの生産性を向上させる コンサルティングを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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