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第10回「ティール組織」時代のマネジメント 

「機能する社会」を実現するための経営とは(前編)

2018年10月17日(水)

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(写真:PIXTA)

 今年話題になっているビジネス書の一つに「ティール組織」(フレデリック・ラルー著、鈴木立哉訳、嘉村賢州解説、英治出版、2018年。原題「Reinventing Organizations」)があります。「上下関係も、売り上げ目標も、予算もない!?」という帯に興味を惹かれて読まれた方も多いはずです。日本での注目度の高さは2014年に本国で発売された原著以上とも言われます。その理由は、この本に描かれた組織の進化系と言われる形と、現在の多くの日本企業の姿にあまりに乖離があるからかもしれません。

 今回と次回の2回に分け、この「ティール組織」の内容とドラッカーのマネジメント論を照らし合わせながら、これからの「働き方」「会社」「組織」がどういう姿になるのかを探っていきます。

 まずは、組織コンサルタントと、かつて一緒に仕事をしたことのあるクライアント企業の社員との会話から見ていきましょう。

 (コンサルタントA氏とクライアント社員B氏(ともに40歳代前半)の会話)

A氏:「『ティール組織』という本がありますが、読まれました?」

B氏:「はい、同僚に勧められて読んでみました。想像以上に分厚い本で、読むのに苦労しましたが(笑)」

A氏:「内容については、どう感じました?」

B氏:「個々人が主体的に意思をもって、セルフ・マネジメントをベースに自由に協働しながら仕事を進める考え方は、なるほどなあ、それが理想だよな、と思って読みました」

A氏:「ご自身の仕事やマネジメントに関する考え方に何か影響は?」

B氏:「正直、自分の会社の現状からはかけ離れすぎていて、イメージが湧きませんね……」

A氏:「あの本の内容に近い形でマネジメントされている組織は、まだ少ないでしょうね」

B氏:「本の表現で言えば『順応型(アンバー)』と『達成型(オレンジ)』の間にあるのがうちの会社かもしれません」

A氏:「本に書かれている組織の『形』を気にしすぎないことですよ。大切なのは、会社や働き方にどのような重要な変化が起きているか、常識とされていた考え方がなぜ限界に近づいているのか、その根本的な解決策は何か、をこの本から感じ取ることだと思います」

B氏:「確かに、従来常識とされてきたマネジメントでは、どうやっても人が生かしきれないというか、限界を感じますね。マネジャーをやっていてもひどく疲れますし。走れば走るほど、無理が増えています」

A氏:「数字上の目標を何とか達成できているとしても、人が疲弊する、気持ちが離れてしまう、顧客が自社製品やサービスに感動してくれなくなる、といった副作用が目立ち始めていますよね。このままでは、社会が機能しません」

B氏:「社会が機能しない、ですか」

A氏:「はい。多くの人がエネルギーを注ぐ『職場』『仕事』で、逆に人の活力が奪われてしまったり、その結果業績が低迷したりすると、社会は機能しませんよね。多くの先進国で問題になっていることですが」

B氏:「職場の人間関係で著しくやる気を削がれながら、目先の数字や競合他社との戦いに明け暮れていることが多いですね」

A氏:「『ティール組織』にも書かれているように『人が人生をかけて情熱を傾けるのに値しない』仕事が増えています」

B氏:「耳が痛いです。部下にも、同じ思いをさせてしまっているかもしれません」

A氏:「自分の所属する組織がティール組織かどうかより、ティール組織の時代に自分自身が進化する『準備』ができているか。それが大切だと思います。もちろん、私自身も日々それを自問しています」

コメント2件コメント/レビュー

大変参考になりました。
この本は読んでいませんが、評価や報酬についてはあまり触れられていないようと聞きました。
組織をグループ化して権限持たせたり、肩書をなくしたりことは既存組織の延長でできそうです。
昔ながらの組織にいる人間としてはティール組織に変わるためにはこの評価報酬が肝になると思ってます。(2018/10/17 12:44)

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「第10回「ティール組織」時代のマネジメント 」の著者

藤田 勝利

藤田 勝利(ふじた・かつとし)

経営教育事業家/コンサルタント

1996年上智大学経済学部卒業後、商社勤務などを経て、2004年、米クレアモント大学のビジネススクール(通称ドラッカー・スクール)で経営学修士号を取得。現在はリーダー育成とコンサルティング/コーチングを融合した独自の経営教育事業を手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

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大変参考になりました。
この本は読んでいませんが、評価や報酬についてはあまり触れられていないようと聞きました。
組織をグループ化して権限持たせたり、肩書をなくしたりことは既存組織の延長でできそうです。
昔ながらの組織にいる人間としてはティール組織に変わるためにはこの評価報酬が肝になると思ってます。(2018/10/17 12:44)

『自主経営』を基本とした「ティール組織」の具体例を見聞きしたことはないが、自分自身も米系の会社で経験したプロジェクト型に似ている。各社員は組織には所属しているものの、仕事は課長から命令されるのではなく、PMがプロジェクトに必要な要員をあちこちの組織からかき集める。最初は大変だが、経験が増えるとプロジェクトの内容に対応した最適な人材を手早く集められるようになる。コストに厳しいプロジェクトだと、社員だけに頼ると難しいので下請けからも集める。その場合、紹介された人との1時間程度の面談で採用の可否を判断しなければならないが、これも経験を積むと『直感』で分かる様にもなる。プロジェクトで集まるメンバーの顔ぶれが固定してしまうと硬直化してしまうのだろうが、個々のプロジェクトの要件は規模も性質も違うので心配はない。組織の長は、部下が所属するプロジェクトのPMに仕事の出来具合を問い合わせ、それを評価の基本として部下を評価する。ただし、PMから中々お呼びが掛からずに稼働率が低いと、潜在能力が高いとしても評価は下る。部下の稼働率はシステム経由で知らされる。PMにしてみれば、能力は高いが使い難い社員は敬遠され易い。PMの地位は経験と社内の試験で合格すれば得られるが、基本はマネージメントによる面接がメイン。過去のプロジェクトによる成果を短い時間でアピール出来れば成功するが、冗長であったり質問への回答が不適切だと落とされてしまう。PMは正直であることよりも、プロジェクトのマネージメント能力で採用が決定される。この記事の『ティール組織』というのは、私の経験した会社の組織がないプロジェクトだけで成り立っている組織と思えばよいのか?誰でも参加できるような組織には思えないが、IT系の会社では今後出てくることは間違いないと思う。(2018/10/17 08:44)

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