今月のビジュアライゼーション

爆買い一服でインバウンド消費の主役交代?ドラッグストアのPOSデータから探る

2017.03.06アレックス・ザバヴァ,前島 直紀=カーツメディアワークス

ビジュアライゼーション

訪日外国人数は増え続けるものの、「爆買い」は一服したインバウンド消費は、どう変化しているのか。カスタマー・コミュニケーションズの協力を得て、ドラッグストアのPOSデータから探った。

 訪日外国人の数は過去最高を更新し続ける一方で、一時の「爆買い」は一服した。では、いわゆるインバウンド消費はどう変化しているのだろうか。ID-POSデータを中心とした購買データ分析を手掛けるカスタマー・コミュニケーションズの協力を得て、過去2年分のドラッグストアにおけるインバウンド消費のPOSデータを分析し、半期、四半期単位にその変遷を探った。

 今回のビジュアライゼーションは3つのチャートで構成した。まず、メインとなるチャートでは、商品のカテゴリー別の売り上げ個数シェア(横軸)と売り上げ金額シェア(縦軸)の関係を、時系列(半期単位)形式で表現した。個数と金額の2軸のチャートにしたことで、商品の単価も推察できる。さらに、過去のデータも残像で可視化して、ここ2年間の傾向の変化も分かるようにした。

 その右にはカテゴリー別の売り上げ個数の伸び率を横棒グラフで表現しており、菓子類などカテゴリー別の伸びがより見やすくなっている。

 下のチャートでは、個別の商品の売り上げ個数のランキングの推移を表しており、四半期単位でどの商品が最も売れたか、どんな商品が売り上げを伸ばしているかを確認できる。

単価の低い菓子類が急伸

 これらのチャートで分析した結果、インバウンド消費に大きな変化が起きていることが判明した。

 商品は「化粧品」「医薬品」「菓子類」「日用雑貨」と「その他」の5つに分けている。売り上げ個数シェアと金額シェアの両方で最上位となったのは「化粧品」だ。ただ、個数シェアは期を追うごとに落としている。一方で、金額シェアは上昇している。

 その変化を引き起こした一因は、菓子類の急伸とみられる。単価が低く売り上げ金額シェアでは最下位のままだが、個数シェアは急上昇している。2016年1月は前年6月と比べて個数シェアが3倍に伸びた。結果として、化粧品の売り上げ金額シェアが上昇したようだ。

 下の売り上げ個数のランキングで人気商品を見ると、ネスレ日本の「キットカットミニオトナの甘さ 抹茶 12枚」がほぼ毎回ランクインしており、お土産品の定番になっている。昨今は他の菓子類も多く売れるようになってきた。2017年1月のランキングではトップ10の半分が菓子類になり、初めて菓子類が1位になった。UHA味覚糖の「コロロ マスカット 40g」である。グミで100円台で買えるコロロシリーズは、インバウンド消費では、2016年夏から急速に人気を集めており、同社の「コロロ グレープ 40g」も4位に入った。手頃な価格のお土産品として人気を集めているようだ。

 一方で、2015年1月のランキングでトップ10中に6商品が入っていた化粧品では、2017年1月もトップ10に残っているのは2商品(うち1商品は正確には後継商品)だけ。人気を維持するのは大変困難だ。

 本ランキングでは、「DHC 薬用リップクリーム 1.5g」や「サンテ FX ネオ 12ml」は常に上位にランクインしており、お土産の定番となっている。なお、本誌サイトに掲載した記事では、チャートにマウスオーバーして商品名などのデータを個別に確認できる。

 菓子類は単価が安く、インバウンド消費全体をけん引する役割を期待するのは難しいが、菓子メーカーにとっては新たなビジネスチャンスが生まれていると言える。UHA味覚糖は、香港やインドネシアをターゲットとしたソーシャルメディア施策を展開している。他のメーカーも海外向け施策を強化すべきだろう。

カーツメディアワークス | Kartz Media Works
インフォグラフィックスを共有して世界に「伝える」投稿型サイト「infogra.me」を運営する。

印刷

日経ビッグデータの最新号

3月号特集

オンリーワンデータで成長戦略を描く

現場に出向けば、価値あるデータを創出できる

年間購読のご案内

申し込む

お問い合わせ

日経ビッグデータのサイトへ

本サイトは更新を終了しました

 「日経ビッグデータ」は2018年4月2日、「日経クロストレンド」に名称を変更しました。データ活用やAI関連の最新記事は日経クロストレンドでお読みください。

 本サイトは更新を終了し、19年3月31日に閉鎖する予定です。長い間のご利用、ありがとうございました。