今月のビジュアライゼーション

ラーメン店の激戦区はどの街? 「食べログ」の店舗、口コミデータで検証

2015.12.01アレックス・ザバヴァ,前島 直紀

ビジュアライゼーション

グルメ界で熱狂的な愛好家が多いのは、何といってもラーメンである。今回はグルメ口コミサイト「食べログ」の協力を得て、全国のラーメン店情報でビジュアライゼーションを作成した。

 全国80万超の飲食店情報とそれに対する600万件以上の口コミデータを所有しているのがグルメ口コミサイト「食べログ」だ。同サイトの協力を得て、都道府県別及びさらに細かなエリア別にラーメン店をプロットし、インタラクティブなビジュアライゼーションに仕上げた。

 まずは、地図上にラーメン店をマッピングすることで、直感的に各都道府県におけるラーメン店の「激戦区」を見ることができる。

 データを網羅的に表現するデータビジュアライゼーションだが、見やすさ、読みやすさを高めるため、ラーメン店を「エリア単位」でグループ化した。最初に表示されるのは東京都の地図だが、円の大きさが営業店舗数を示す。

 地図左下の横棒グラフでは、店舗数が多い順にエリアを並べた。激戦の度合いを別の角度から検証するため、食べログに記載された過去5年分の閉店情報にも注目した。閉店・営業店の合計数が多い順に並べた。

 具体例を挙げると、東京の代表的な激戦区である池袋の営業店が90店と最も多いものの、この5年間で閉鎖店は58店と同様に最も多かったことが分かる。神田に至っては閉店数の方が多くなっている。

 札幌ラーメンの本場である札幌市でも店の数が多く入れ替わりも激しい。中でも札幌駅周辺エリアは東京・神田同様に、営業店の数より閉店数の方が多いのだ。

 一方、博多ラーメンで知られる福岡県のデータを見ると、博多や中洲川端エリアでは営業店が51店舗、57店舗と多い割に、この5年間の閉店が一桁と非常に少なく、安定している地域になっているようだ。ただし、中洲川端の隣駅である祇園エリアは閉店数の方が多く、わずかな違いで競争環境は激変する。

 代表的な激戦区を見てきたが、データをさらに深掘りすると、意外な激戦区も発見できる。埼玉県で最も閉店が多いエリアは大宮、神奈川県では川崎と、人口の多い町に激戦区が集中しているようだ。店数の多さで見ると、新潟県がかなり上位で、その中でも新潟駅エリアにおいて営業中のラーメン店が100を超えている。

高評価の店が多い亀戸

 ラーメン好きであれば、口コミ評価の高い店を訪れたいもの。本ビジュアライゼーションでは、各エリアの口コミデータを集計して、マトリックス図にまとめた。

 ランチの総合評価4段階とディナーの総合評価4段階で最大16マスに分けており、各地域におけるラーメン店の人気傾向を一目で見られる。東京都では、ランチ評価が2~3、ディナー評価が3~4のマスに入るラーメン店が2340店と最も多い。ともに4~5と最高レベルの評価を得ている店は570店だ。

 エリア別に見比べていくと高いレベルで競っている街も発見できる。東京では亀戸は総店舗数では30位前後だが、ランチ、ディナーともに最高レベルの評価を得ている店は13店と都内で3本の指に入る。

 最下図は、口コミ投稿者の年代を月別の推移で見た折れ線グラフだ。全国共通の傾向として投稿者の年代は40代、30代が多い。最も多い40代だけに限定すると季節トレンドが見えやすい。年間で安定した口コミ件数の東京都などの都市部に対して、山梨県は5月、沖縄県は7月、長野県は8月に年間の口コミ件数のピークを迎える。各地域の繁忙期と閑散期が推察できる。

 食べログのデータからは、ラーメン店の経営方針の策定に役立ちそうな情報も見いだすことができた。今後、ラーメン店経営にもデータに基づく意思決定が浸透する──。そんな時代がやってくるのを、データ好き、そしてラーメン好きの一人として期待したい。

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