ビール注ぎ名人 ビールの名店

東京・銀座のピルゼンアレイ(PILSEN ALLEY)、ピルスナービールの原点を味わう【動画付き】

チェコの伝統的な注ぎ方「ハラディンカ」で「ピルスナーウルケル」を満喫

文/写真:カンパネラ編集部 08.02.2018

今から180年ほど前、チェコの郊外のピルゼンという町で誕生した「ピルスナーウルケル(Pilsner Urquell)」。黄金色の輝きと豊かな香りを持つピルスナービールの原点といえるビールだ。東京・銀座のビアバー「PILSEN ALLEY(ピルゼンアレイ)」では、本場・チェコと同様、伝統的な注ぎ方「ハラディンカ」でピルスナーウルケルを提供している。日本を代表するピルスナービール「アサヒスーパードライ」と飲み比べるのもおもしろい。

東京・銀座、名店が並ぶ数寄屋通りの一角に、ピルスナービール専門のビアバー「PILSEN ALLEY(ピルゼンアレイ)」がある。店内はカウンターだけの、いわゆる立ち飲みスタイル。「サトウ注ぎ」で腕をふるう若きビアマイスターでオーナーの佐藤裕介さんが「銀座で本当においしい日本のラガービールを提供しよう」と開いた店だ。

店内は10人も入ればいっぱいになる広さだが、不思議と落ち着ける空間だ。木とレンガをふんだんに使った温かみのある壁や、チェコ・プラハの街並みを再現したという手作りの装飾タイルが、東欧の異国ムードを演出しているからかもしれない。

店内には東欧の異国ムードが漂う。木とレンガをふんだんに使った温かみのある壁
チェコ・プラハの街並みを再現したという手作りの装飾タイル

夕方4時から開店しているのもうれしい。ちょっと一杯ひっかけてから次の店へ向かう人もけっこういるそうだ。

180年前に誕生したピルスナービールの原点

2年前にこの場所で開業したときは、「アサヒスーパードライ」だけを提供していた。それが今年4月から、チェコが誇るビールの世界ブランド「ピルスナーウルケル(Pilsner Urquell)」も扱えるようになったことを、佐藤さんは“幸運”と話す。

「ピルスナーウルケルは、ピルスナービールの原点。私が10年ほど前にビール文化に触れようとヨーロッパを回ったときに衝撃を受け、惚れ込んだビールでした。それを自分の店で提供できることに、運命的なものを感じます」

今年4月から提供を始めたチェコのビール「ピルスナーウルケル」

ピルスナーウルケルは、今から180年ほど前、1842年にチェコのピルゼンという町で誕生した。それまでビールといえば濃褐色が普通だったが、ピルスナーウルケルは黄金色。当時の人々はその美しい色と豊かな風味に驚いたという。

「麦芽を従来よりも低い温度で焙燥(ばいそう、焦がさない程度に加熱すること)する技術が開発され、黄金色のビールが誕生したのです」と佐藤さん。ピルゼンで生まれた新しい製法のビールは、その町の名前からピルスナービールと呼ばれ、またたく間に世界中に広がっていった。

ピルスナーウルケルのルーツとピルゼンの町について語る佐藤裕介さん

「ピルゼンアレイ」という店の名前にも、佐藤さんの思いが込められている。ピルスナービール発祥の地である「ピルゼン」と、銀座の「アレイ(Alley)=裏道、小路」である「数寄屋通り」(に面した場所)という二つの意味を込めて名付けたという。

3つの注ぎ方で味わいの違いを楽しむ

ピルスナーウルケルの魅力について、佐藤さんは次のように話す。

「麦芽の甘みとホップの苦味のバランスがいい、味わいのしっかりしたビールです。飲んだ後にのどに残るかすかな苦みが次のひと口を誘い、もう一杯飲みたくなる。アルコール度数が4.4%と少し低めなことも飲みやすい理由のひとつ。本場のチェコでも、圧倒的に人気があります」

ピルゼンアレイでは、ピルスナーウルケルを3種類の注ぎ方で提供している。

ピルスナーウルケルの3種類の注ぎ方

NA DVAKRÁT(ナドバクラット)は、ビールの液体を注いだ後、泡付けをするもので、日本で親しまれている飲み方。炭酸が強く感じられ、食事との相性もいい。

HLADINKA(ハラディンカ)は、本場チェコの伝統的な注ぎ方。最初に泡を入れてから、その下にビールを注ぎ入れる。そうすることで炭酸を適度に抜いて、ビールの味わいをしっかりと引き出せる。ナドバクラットよりも炭酸が弱めなので、ゆっくりとビールを味わいたいときにお薦めだ。

MLÍKO(ミルコ)は、グラスをほとんど泡で埋め尽くす。濃厚な泡の苦みを楽しむピルスナーウルケルならではの注ぎ方だ。

取材では、チェコでも一番人気のある注ぎ方の「ハラディンカ」でピルスナーウルケルを堪能させてもらうことにした。


【動画:チェコの伝統的な注ぎ方「ハラディンカ」を実演】


樽型のノスタルジックなジョッキを傾けると、最初にたっぷりとした泡に遭遇、それからすっきりと透明感のあるビールにたどりつく。深いコクと適度な苦みが残るしっかりとした味わいのビールだ。

チェコから取り寄せたピルスナーウルケル専用のビールサーバー
ピルゼンアレイ