欧州ビール紀行

ベルリン:人が集まればそこにビールがある! お酒好きは言葉の壁を越える

文/写真:塩見 なゆ 01.29.2019

17世紀にプロイセン王国の首都となり、その後ドイツ帝国の首都として大きく繁栄し、ヨーロッパを代表する産業都市となったベルリン。激動の20世紀、東西ドイツに分割されましたが、1990年に再統一され来年で30年を迎えます。そんなベルリンへ、プラハから国際特急列車ユーロシティーで4時間30分かけてやってきました。

街並みは中世ヨーロッパの建築や東西分割時代に建てられた東側諸国風の建物に混ざって、ガラス張りの未来的なデザインを多用した近代ビルの姿も目立ちます。

ガラス張りの近代的なビルが立ち並ぶ中、かつて東西に分断していた「ベルリンの壁」の一部が残されている
ベルリンの象徴ともいえるブランデンブルク門。「ベルリンの壁」はこの門の向こう側にあった
ベルリン中央駅

でも、列車を降りたら、すぐに目に飛び込んでくるのがビールです。長距離列車が発着するベルリン中央駅はもちろん、Sバーン(都市高速鉄道網)のローカルな駅にもビアスタンドがあります。街を歩いても、パブやビアレストランの数の多さに驚きますし、カフェや公園でも日中からビールを楽しむ人々の姿があります。人が集まればそこにビールがある、そんなベルリンです。

本場の味を求めて、動物園駅近くのカルマー通りを訪ねる

名物料理は、ドイツの伝統料理「アイスバイン」を筆頭に、ソーセージ料理の「カリーヴルスト」、カツレツの「シュニッツェル」と、ビールに合うもの揃いです。一度は食べてみたかった本場の味を求めて、地元の人が通う街のレストランを目指しました。

旧西ドイツの観光とショッピングの中心だったベルリン動物園駅近くにありながらも、落ち着いた穏やかな佇まいのカルマー通り。ここにある「Dicke Wirtin」にやってきました。

「Dicke Wirtin」は地元で人気のレストラン

街の食堂といった雰囲気のお店で、明るい時間はテラス席が人気です。

犬を連れた年配の紳士がビールを片手に休憩していたり、地元の常連ご夫婦が「いつもの」という注文でビールとフライパン料理を楽しんだりしています。


いかにもドイツのママという感じの女将さんが注文を聞きに来てくれました。「Beer? Alles Klar!(ビール? わかりました!)」と、阿吽の呼吸で一杯目を持ってきてくれたのは、お酒好きが言葉の壁も越えられた瞬間です。

ドイツ国内にはなんと1400ものビール醸造所があります。ここでお姉さんが元気に運んできてくれたビールは首都ベルリンで定番の「ベルリナーキンドル」(2.8ユーロ、1ユーロ=約124円)です。しっかりと麦の香りが主張する味わいで、肉料理との相性は抜群でしょう。


ほどなくして目的のアイスバインが運ばれてきました。アイスバインは塩漬けの豚のすね肉を煮込んだもの。日本の煮込みとビールの相性は抜群ですが、ビールの国ドイツでも、アイスバインという名の煮込みとビールは完璧な組み合わせです。

握りこぶしより一回り大きい巨大サイズで15ユーロほどです。言うまでもなくまんぷく間違いなしです。


クタクタに煮込まれていて、骨をひくと、ほろっと身離れするほどです。玉ねぎやセロリ、地元の香味食材の風味が染みていて、豚の旨味を引き立てています。トロトロの皮は意外なほどにあっさりしていて、付け合せのポテトと一緒に頬張ると思わず1人でうなずいてしまうほどです。