欧州ビール紀行

パリ:フランスはワインの国? いえ、カフェではのんびりとビールも楽しみます

文/写真:塩見なゆ 03.19.2019

国際特急列車を乗り継いで一人で巡ってきた欧州ビールの旅。ドイツのミュンヘンを振り出しにプラハ、ベルリン、アムステルダムを経て、いよいよ最後から2番目の都市、パリにやってきました。パリの居酒屋といえば、やはり「カフェ」がその役割を担っているといえるでしょう。明るいうちからお酒を飲む習慣がヨーロッパにはありますが、パリは飛び抜けてその印象を受けます。ヨーロッパの他の都市に比べて、街全体が明るくて華やかな印象のあるパリ。さて、今宵はどんなお店に行ってみましょうか。

気軽に利用できるビストロは中休みがあり、美食を堪能できるグランメゾンの多くは18時頃からの営業。その間をつないでいるパリのカフェには、明るい時間帯からお酒を楽しむ人々の姿がありました。フランスはワインの一大産地であり一大消費地でもあって、ビールのイメージはさほどありません。ただ実際にパリのカフェを巡ってみると、地元の人たちが飲む「ビール率」の高さに驚かされました。

気軽にビールを楽しむならカフェ

明るいうちからビールを楽しもうと向かったのは「Café de l'Olympia」(カフェオランピア)。パリの中心街、カプシーヌ通りが交わる角にある典型的なカフェです。店先にはたくさんのテーブルやシートが並び、地元パリで暮らす人々(パリジャン、パリジェンヌ)や観光客で昼夜通して賑わう地元のお店です。

メトロのオペラ座駅とマドレーヌ駅に近く、観光客が多いエリアにある

店内に通されると、まず目にするのはバーカウンターに並ぶ立派なビアタップ(ビールサーバーの注ぎ口)。ほかのカフェも同様で、界隈の人々の日常にビールが当たり前の存在であることを感じます。

フランスはアペリティフ(現地ではアペロと呼んでいます)と言って、メインのディナーの前に軽いおつまみで飲む習慣があるのはご存じの通り。カフェではそんなアペロのフライングとして人気な飲み物がビールです。

よく見かけるのはクローネンブルグ社(ストラスブール)の「1664」。読み方はフランス語で「セーズ・ソワソン・キャトル」と教わりましたが、ウエーターもお客さんも「セーズ」と愛称で呼んでいます。クローネンブルグ社は、フランスで生産されるビールの40%相当を製造しているそうで、まさに定番ビールです。お腹にたまらないちょっとしたフードも多く、エスカルゴとバケットをおつまみに、のんびり小一時間、日向ぼっこでいい気分。


道側の席へ移動し、エスカルゴとバケットをおつまみにビールをいただきました