ミッドナイト・インタビュー

傷を舐めあうなら経営者同士ですればいい ベーシック代表取締役 秋山勝氏/後編

聞き手:カンパネラ編集部/文:西本 美沙 /写真:的野 弘路 01.09.2019

遊びより楽しい。仕事ほど難解なパズルゲームはない

──そうですよね。本人たちは真面目なわけですもんね(笑)。そしたら今も社員を見れば何に向いているかがわかると。

秋山 いや、自分の会社になるとそれがなかなかできず…。そういう思考もあるんですが、一度仕事を任せたら、できなくても諦めずに頑張れってなってしまうんですよね。

──パチンコのもうあと1万円払えば…と一緒ですね。その会社の次はどちらに?

秋山 トランス・コスモスでマーケティング事業を立ち上げました。当時は代理店事業でしたが、自社サービスを作ることが大事だと思っていました。1999年頃ですね。今でいうAdWords(広告主に提供するクリック課金広告サービス)、リスティングの前身のサービスをやっていた。

あの頃ってターゲティングするには、許諾したユーザーに対して広告メールを配信するオプトインメールとかパーミッションマーケティングが主流だった。でも、分析する中で、ユーザーが能動的にアクションする時に、ワード検索をしてリスティングから何かを選ぶ。それを見たときに業種ごとに分けて用意していけば競争力になると思った。

それで社内に提案したんですが、当時はNo.1セールスで営業に専念してほしいとなり起業しました。それで業界ごとに比較サイトを作ったんです。


──波乱万丈な会社員生活を過ごしてますよね。どの時期が一番楽しかったです?

秋山 1社目ですね。本当にカルチャーショックだったんです。初めて遊びより楽しいことがあると知った。仕事ほど難解なパズルゲームはほかにないし、パチンコより全然楽しいなと。

パチンコは攻略できたけど、仕事はなかなか攻略できない。でもたまにハマるときがあって、それを吸収していくと勝率も上がる。でもその勝率が一定のレベルまで上がっても、そこにとどまらず次の目標を見つければまた勝率が落ちて、また上る。いやー楽しいですよ。

──もうほんと仕事が趣味みたいな状況ですね。ほかに趣味はないんですか?

秋山 ゴルフ、ゲームくらい。ゲームは、やってて途方にくれるような、すごく難しいマゾゲーが好きですね。「ダークソウル」とかいいですよ。現代版スペランカーです。どんなに装備しても、最後の方になると雑魚たちにすぐやられる無情なゲーム。「あ────っ!!!」って1回コントロールを投げるんですが、また「ちょっと待てよ。まだコレを試してないかも」ってなる。

そしたら成功したりするから、すごい楽しくて夜な夜なやってしまう。社員から「秋山さんちょっと病んでるんじゃない」って声が上がっています。

──たしかに若干病んでますね(笑)でも、会社にも面白い人たちが集まってきてますよね。どういう所に惹かれて入社を決める方が多いんですか?

秋山 ダメなとこかな。彼らには全部話すんです。「俺がやりたいことはこれなんだけど、これができていない」って全部赤裸々に伝える。だから、この会社このままだったら潰れるかもって入ってくれるのかもしれない。

経営者に必要なのは勘違い力。それが非凡さを生み出す

──経営者が腹を割ってくれるって大事ですよね。尊敬している経営者はいますか?

秋山 ソフトバンクの孫正義さんです。嘘を誠にするというか、人の思いというのはここまで実現するんだなと。

GoogleやFacebookなどの経営者ともタイプが違う。でも、全然違う領域で圧倒的なスケールのものを作っていく。でもそのきっかけは、手元にアセット(資産)があったからじゃなく、全部彼の思いですよね。

孫さんを見ていると、人の可能性をすごく感じさせてもらえます。人が持っている理想を描き実現することを体現している。コレはありえないよねじゃなく、どうすればできるかを最も体現している人な気がします。


──たしかにそうですよね。どちらかというと、イノベーターに憧れるということですかね。

秋山 そうですね、イノベーターという意味では、作ったかどうかというよりも、一番か二番手くらいでやったかどうかかなと。

──経営者に必要な要素ってどんなものだと思います?

秋山 勘違い力はすごい重要ですよね。自分が思ったことに対して、どこまで勘違いできるかどうか。結局それが非凡さを生みますよね。

──たしかに周りをあまり気にしない人も多いですよね。

秋山 そうそう。経営者って「どう思う、お前?」とか言いながら、聞いてるようで聞いていないですからね。じゃあ一通り聞いたけどこれでいこうか!って全然聞いてないじゃないかって(笑)

ピルゼンアレイ