ミッドナイト・インタビュー

傷を舐めあうなら経営者同士ですればいい ベーシック代表取締役 秋山勝氏/後編

聞き手:カンパネラ編集部/文:西本 美沙 /写真:的野 弘路 01.09.2019

「人が辞めたりして結構、へこむんですよね」

──酒の場なんで、最近の悩みとかないんですか?

秋山 悩みではないですが、今、創業して15年で、10年目まではプライベートカンパニーとしてやってたんですが、10年を超えていろいろ考えはじめました。

それで今年人員体制を変えたんです。打ち出す方針は変わりませんが、それをやり遂げるために最適な体制に変えました。

この会社を信じてやっていこうという人達に対して自分が一番しないといけないことを考えた時に、「うまくやろう」じゃなく「ちゃんとしないといけない」。自分が意思決定しないといけないですよね。

──このままでいいのかと?

秋山 自分は楽しいんだけど、それでいいのかなとか。もしかしたら成長の機会を逸してるのかなと思う機会もあって、時間をかけてプランニングしていこうと。


──社員の方と飲みに行ってそういう悩みも話したり?

秋山 以前は積極的に社員と飲んでいましたが、今はしないようにしています。部署単位ではありますが、個人でつながっても組織にはならないし、秋山さんの話を聞いておけばいいとなる。チームとして結果を出すためには極力自分は出ないほうがいいと思っています。

──でも、それって孤独じゃないですか?

秋山 そういう葛藤もありました。でも結局、何のために事業をしているかってことですよね。傷を舐めあうなら経営者同士ですればいいんですよ。

──経営者の孤独ですね。でも誰かが、なぜこの会社を作ろうとしたかを覚えていてくれるのも大事ですよね。

秋山 進んでいくと分かんなくなりがちですからね。ガンダムのゲームって宇宙戦より地上戦のほうが面白いと感じるんですが、それは宇宙戦には上に上がる、下に降りる基準がないからなんです。

それと同じで経営者が求めている原点って点なんですよね。その点という基準があれば、人間は頑張れるし、そこに近づいているか離れたかがわかる。

──夢中になりすぎると自分が頑張ったことがプラスかマイナスかわからなくなると。経営ってずっと終わりがないですもんね。

秋山 そう。だから常に自分で設定してかなきゃいけない。

──でもそんな時に限って、人が辞めたりして結構、へこむんですよね。

秋山 本当そう。離職ってライフスタイルの変化だったり、必ずしも嫌で辞めたりするわけじゃないのに、なぜか自己否定されているような気分になる。もう河原行って石投げるくらいしかできない(笑)

──多分、荒川で石投げてるの大体経営者ですよね。

秋山 「奇遇ですね、お宅何人ですか? 1人でへこんでるんなら甘いなー、うち3人ですから」みたいなね。

──じゃあ今日は石投げる代わりに飲みましょう。

秋山 そうしましょう。

秋山 勝(あきやま・まさる)
株式会社ベーシック 代表取締役
1972年2月7日、東京生まれ。高校卒業後、企画営業職として商社に入社。97年、株式会社グッドウィルコミュニケーションにて、物流倉庫の立ち上げ、EC事業のサービス企画を経験。2001年、トランス・コスモス株式会社に入社し、Webマーケティング関連の新規事業など数々の事業企画を手がける。04年に株式会社ベーシックを創業。「Webマーケティングで世の中の問題を解決する」をミッションに、国内最大級のWebマーケティングメディア「ferret」やオールインワンマーケティングツール「ferret One」といったWebマーケティング事業や国内最大級を誇る「フランチャイズ比較ネット」などのメディア事業を展開。設立以降、50を超えるサービスを生み出し、10件以上のM&Aの実績を持つ。
西本美沙(にしもと・みさ)
ライター/PR
株式会社ドワンゴで各種サービスの宣伝・広報を経て、2016年退職。現在はフリーランスで女性向けメディアなどのライティングのほか、各企業のPR業務に従事。だいたいお酒と黒猫と戯れてます。
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