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イノベーションこそが、CMO最大の役割
ネスレ日本専務執行役員CMO 石橋昌文氏、博報堂執行役員 安藤元博氏インタビュー(1)

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  • 2017年6月23日 金曜日
  • 安倍 俊廣、編集協力:ITアナリスト 冨永 裕子

7月26~28日に六本木アカデミーヒルズで開催する「D3 WEEK 2017」。その3日目(7月28日)の注目コンテンツが『日本の企業にCMOを!―JMA「CMOソサエティ」発進』(13:00~13:40)というパネルディスカッションだ。日本を代表する3人のCMOが、日本企業がCMOを導入する意義と課題などについて持論をぶつけ合うトークバトルが展開される。その開催に先立ち、当日登壇するネスレ日本専務執行役員CMO(最高マーケティング責任者)の石橋昌文氏と、ファシリテーターを務める博報堂執行役員/エグゼクティブマーケティングディレクターの安藤元博氏にインタビューした。

マーケティングの要諦は、新たな付加価値を生み出すこと。つまりはイノベーションだと思いますが、こうした認識が日本では広がっていません。

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ネスレ日本専務執行役員CMO(最高マーケティング責任者)の石橋昌文氏

石橋氏:当社の高岡(浩三)社長はよく「去年と同じことをやるのは仕事として認めない」と言います。決まったことをやるのは事務作業で、新しいことで価値を出すのが仕事だと言うのです。作業の効率化と同時に新しい仕事の創造も求められているので、正直言って社員は大変だろうと思います。

 この考え方を徹底させるため、2011年から始めた制度が「イノベーションアワード」です。毎年、社員全員に自分の顧客の定義、その問題の発見と解決方法のアイデアとその実行結果を報告してもらい、役員会議で受賞者を選びます。

 マネジャーはイノベーションの種を見分ける力を養い、部下と一緒にミッションを共有した上で仕事を遂行しなくてはならない。たとえ困難でも、全社的にイノベーション文化を育てることで、マーケティング発想の会社に変わることができます。

CMOはもっと注目されるべき

安藤氏:石橋さんのお話にもあったようにイノベーションの創出はマーケティング、そしてCMOに求められる最大の役割です。イノベーションの種類はいくつかありますが、顧客価値創造を軸にするイノベーションを創るリーダーがCMOと言えるでしょう。その意味で、この役割を果たすCMOはもっと増えないといけませんし、もっとCMOは注目されるべきだと思います。

イノベーションについて高岡社長は、「消費者が気が付いていない課題を解決することだ」と仰っていますね。

石橋氏:ネスレは食品メーカーであって、そもそもおいしくないものは商品にしませんが、どの商品も「おいしい」は既に、向上の限界に近い水準にあります。

 現代はモノがあふれていて、モノの提供で顧客の問題解決ができる時代ではない。消費者が欲しいものを作るだけでは、消費者を満足させることができない。だからお客様の気付いていない問題を探し、解決策を提供するイノベーションで差別化する必要があるわけです。

 難しいのは問題の探し方です。(消費者アンケートなどの)調査をすれば出てくる性質のものではない。小規模な仮説検証を繰り返して、うまく行けば拡大し、行かなければ新しい仮説を作ってさらに探すことになります。

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