歯磨きを通じて親の共感呼ぶ

 ライオンは、環境ブランド指数とSGイメージスコアの両方で伸びが最も大きかった。

 要因と考えられるのが、歯磨きなどの習慣化を子供達に啓発する「全国小学生歯みがき大会」だ。1932年から開催し、75回目となる今年の大会には日本と海外の約3800校、約21万人の小学生が参加。昨年の約16万人から急増した。昨年新たに始めた取り組みが教員らに注目された。

 大会では、健康な歯や口内環境を保つ方法や続ける大切さを子供たちに伝える。これに、口内の健康は身体の健康につながり、夢や目標の達成にも大事なことと気づいてもらう工夫を加えた。「歯と自分をみがこう」と呼びかけ「未来宣言シール」を配布し、夢や目標を書き込んでもらう。子供たちは自宅に持ち帰ったシールを洗面台の鏡に張り、夢の実現や目標の達成に近づく一歩として歯を磨く。シールを目にした保護者にも、子供の健康に気を配るライオンの姿勢が伝わる。

ライオンが長年続けている「全国小学生歯みがき大会」(左)。子供達は配布された「未来宣言シール」に夢や目標を書き込む(右)

 昨年発売した小児用歯ブラシの「クリニカkid’sハブラシ」も親の支持を集めたようだ。ブラシの軸に、曲がりやすく折れない素材を採用した。子供が口に歯ブラシを入れたまま転倒しても口中で曲がるので、口への負担を抑えられる。

 発売に合わせ、子供の歯の「仕上げ磨き」に奮闘する母親の姿を描いた動画をインターネットで公開すると子を持つ親たちが共感。公開後の2週間で50万回再生された。歯ブラシの安全性が高まれば、子供の歯磨きで親の負担を減らせる。「安全性を訴えるだけでなく、保護者への共感や応援の気持ちを伝えたかった」とCSV推進部長の小笠原俊史氏は話す。

 日経ESGが今年から始めた「働きたい会社ランキング」でもライオンは3位と好位置に付けた。CMや報道で同社の姿勢が伝わった影響が考えられる。2014年から続ける企業広告のテレビCMには共感の声が寄せられる。働く女性に対する応援のメッセージを込めているからだ。

 従業員に対する待遇改善も報道された。今年春、工場で働く有期雇用者のうち希望者を無期雇用に切り替えるなどの対応をしたことや、初任給を新卒大卒の場合で9年ぶりに6%程度上げたことが報じられた。