用途に応じ様々な選択肢

 「ウォーターガード・防水シャッター」の発売は2014年10月。現時点で前出の東京メトロ(3駅・計10台)、コレド日本橋/日本橋一丁目三井ビルディング(6台)、三井住友銀行本店ビルディング(1台)をはじめ、全国で20件弱の導入実績がある。駅、商業施設、オフィスビルに加えて下水処理施設などのインフラでも採用された。

■ 防水シャッターの施工例
東京メトロ要町駅4番出口(東京都豊島区)
三井住友銀行本店ビルディング(東京都中央区)

 「オフィスビルでも導入されているのは、近年注目のBCP(事業継続計画)対策の観点から、ビルが持つ価値として訴求できるメリットがあるからでしょう。もちろん防水シャッターがあらゆるシーンで万能なのではなく、自治体が発行しているハザードマップを参考に、その地域ではどの程度の浸水が予想されるかを判断した上で、適切な商品を選んでいただけます」と、開発部門商品開発部長の矢部康夫氏は指摘する。

 今回東京メトロが導入した3つの駅はハザードマップで2m程度の浸水が想定されている上、多くの人が日常的に行き交う出入り口に設置するものであることから、防水シャッターにアドバンテージがあった。

 しかし防水対策では、用途や設置場所、どの程度の浸水に対応するかなどによって適する商品が異なる。浸水の水位予想が50cm程度の地域であれば、大掛かりなシャッターを設置する必要はなく、防水板の取り付けで十分な防水効果が得られる場合もある。

 駅通路のように開けっ放しにしておく必要のないビルの通用口、設備室・機械室・地下室などの出入り口なら、むしろ防水ドアがなじむだろう。同社では様々なシーンに対応する防水商品を用意し、多彩な事業者の要求に応えている。

 「私たちは、安全・安心・快適に生活できる空間の提供を使命とする企業ですので、メインの防火商品だけでなく、この防水商品も社会課題の解決に協力できるものと考えて取り組んでいます。その意味では、本業の強みを活かすことが、社会貢献にも直結しているわけです」と矢部氏。

 防水シャッターの市場はまだ立ち上がり始めたところだ。同社はニーズをヒアリングしながら、さらなる性能向上や機能追加を進めていく。グループの世界展開が進んでおり、売り上げの半分程度は海外だ。海外にも水害が多い地域は当然あり、防水だけでなく防火・防犯対策の要請が強い地域も存在する。「アジアや欧州など、地域のニーズや実情に応じた製品を提供することで、グローバルでも社会貢献していきたいです」と矢部氏は語った。