「環境保護」を広く捉える

 トップマネジメントでは、「環境保護に対するコミットメント」が求められる。ここでの「環境保護」は、広く「SDGsの社会課題」と捉えればよい。経営トップに対して、経営方針を実施・維持するためのヒト、モノ、カネといった経営資源の投入を求めている。

 「7 支援」の「7.3 認識」は、現場の部門長に対する要求事項である。ここでは、部門長が管理下にある部下に、SDGsの重要性や自社のマネジメントシステムとの関連を「自分事」として認識させることを求めている。SDGコンパスでは、SDGs目標12「つくる責任つかう責任」を、企業の研究開発部門と調達管理部門に組み込む例を紹介している。

 最後の「報告ゾーン」は、「7.4 コミュニケーション」が該当する。

 従来のコミュニケーションは、苦情対応が主な要求内容だった。改訂版ISO14001では、利害関係者に対するニーズや期待を明確にすることにより、能動的なコミュニケーションが求められるようになった。

 SDGsの取り組みの公開は、環境報告書や統合報告書などを活用するのが一般的だろう。ISO14001では「信頼性があることを確実にする」ことを求めている。投資家が知りたいのは、SDGsの取り組みを列挙した「メニュー表」ではない。企業価値に結びつく成果が出ているかどうかだ。

 そのためには、経営トップの戦略に基づき、どのような数値目標を掲げ、現在どのような進捗状況にあるのかという一貫した情報提供がポイントとなる。また報告は、企業のマテリアル(重要)な事項に焦点を当てるべきである。

■ 報告とコミュニケーションを忘れない
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 ここまでに紹介したポイントをつかめれば、環境マネジメントシステムにSDGsの内容が組み込まれ、自然にPDCAが回るようになるだろう。SDGsの達成に向けた取り組みを進めてほしい。