藤田 香

グローバル企業は原材料やエネルギーの持続可能な調達を急いでいる。環境や人権に配慮しなければ、調達先に選ばれないリスクが増してきた。

 「部品を再生可能エネルギー100%で生産してほしい」「環境や人権に配慮していることを確認したパーム油で原料を作ってほしい」——。そんな要求がグローバル企業からサプライヤーに舞い込むことが増えた。原材料やエネルギーを持続可能に調達する動きが加速している。要請に応えられなければサプライチェーンから弾き出される。取引先選別のリスクが顕在化してきた。

 3つの例を紹介しよう。まずは米マクドナルド。2018年1月に「Scale for Good」という持続可能性の方針を打ち出した。世界に3万7000店あるスケール(規模)を利用し、環境や社会面の取り組みを進め、持続可能な世界をつくることに寄与するという宣言だ。

 実現のために様々な原材料で目標を打ち出した。パッケージは2025年までにリユース素材かリサイクル素材、または森林認証のFSC(森林管理協議会)認証紙にすべて切り替える。日本の2900店舗はこの目標を先行して進め、2017年末時点でFSC認証紙71%を達成した。2020年までに100%にする予定だ。

■ 日本マクドナルドは持続可能な食材や紙を調達
日本マクドナルドは、紙類の71%を既にFSC認証紙に切り替えた。2018年7月下旬発売の「ハッピーセット」の紙袋から認証マークを付ける。揚げ油にはRSPO認証のパーム油、魚にはMSC認証のスケソウダラを使用中
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 プラスチック製ストローについては、2018年5月から英国とベルギーの数店舗で試験的に紙製ストローに置き換えた。英国では置き換える店舗を増やしていく。

 食材の持続可能性にもこだわる。フライドポテトやチキンナゲットの揚げ油は、持続可能なパーム油を証明するRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証の油に置き換えた。日本では「調達先に、今後商品に認証マークを付けるために必要となるサプライチェーン認証をマクドナルド用の油の貯蔵タンクで取得してほしいと要請を出した。年内に達成される」と、日本マクドナルドCSR部の岩井正人マネージャーは打ち明ける。

 「フィレオフィッシュ」の魚は海の生態系に配慮して漁獲されたアラスカ産のMSC(海洋管理協議会)認証のスケソウダラを世界全体で既に使用している。「サプライヤーの協力があって初めて、紙や食材の切り替えを進められた」と岩井マネージャーは話す。

 かつて大量生産、大量消費、大量廃棄の象徴のように見られてきたマクドナルドが、持続可能性にかじを切ったことは、サプライチェーンに大きな影響をもたらしている。