聞き手/田中太郎(日経ESG編集長)

「土地付き太陽光投資」や、1口1万円で太陽光発電に投資できる「エコの輪ファンド」などの商品を手がける。「自分たちが欲しいと思うものを販売する」という方針を掲げ、自社施工で他社との差別化を図る。

――今、話題の2019年問題にはどのように対応していますか。

木下 公貴(きのした・まさたか)
エコスタイル 代表取締役社長
1995年神戸大学卒。証券会社、商品取引会社、損害保険会社などを経て、2008年39歳の時に同僚と共にエコスタイルを起業、現職に就任。福岡県大牟田市出身

木下 公貴 氏(以下、敬称略) 太陽光発電などの再生可能エネルギー(再エネ)で発電された電力は現在、2012年に施行されたFIT(固定価格買取制度)の下で電力会社が20年間固定価格で買い取っています。

 一方、住宅の太陽光発電については2009年11月、FITに先駆けて余剰電力買取制度が始まったのですが、10年間の買取期間が2019年11月に終わる家庭が出始め、売り先がなくなる可能性が生じるというのが2019年問題です。2019年だけで50数万件もの期限が切れます。ただ、既存の電力会社は今後も買い取ると手を上げています。当社も買い取りを検討しており、今後は他社との差別化が課題となると考えています。

主力は太陽光投資

――2019年問題の影響は大きくないということですね。現在の主力事業はどのように進めていますか。

木下 当社の主力事業は太陽光発電事業への投資です。個人向けに「土地付き太陽光投資」という商品を販売しています。九州から北海道まで約1000の物件をウェブで提案しています。FITによる売電を前提とした商品で、実利回りは年7%程度になります。この商品を中心に今期は150億円を売り上げます。

 当社は金融商品取引業者でもあります。1口1万円から太陽光発電のファンドに投資できるスキームも用意しています。「エコの輪ファンド」です。FIT制度がどういうものかを含めて、太陽光発電への投資を理解していただくための初級編という位置付けの商品です。こちらは目標利回りが年5%ほどですが、発売すると毎回すぐに売れてしまいます。

■ 電力見える化サービス
エコスタイルの電力供給サービス「エコスタイルでんき」の契約者は、スマートフォンやパソコンで、自身の電気使用状況を一目で確認したり、設定した量を超えるとメールで通知してもらうことができる

―― 福井県小浜市をはじめ、各地で発電事業もされています。再エネは適地が減少しているといわれていますが、いかがでしょうか。

木下 現在、全国11カ所に太陽光発電所があります。今後200メガワットまで発電容量を拡大する計画を進めています。地球環境に優しい再エネを普及することが目的です。

 確かにメガソーラーに必要な大規模な適地はどんどん限られてきています。ただ、山林を伐採し、山を切り崩してメガソーラーを設置することには、私たちは反対の立場を取り、いっさい手をつけてきませんでした。小さな土地を有効利用する、遊休地を再利用して発電するやり方で取り組んでいます。適地が少なくなっている以上、これからもその姿勢で続けていきます。

 この他、電力の小売事業も手がけています。

■ 福井県小浜市に設置された仏谷太陽光発電所
活用法に悩む小浜市の一般廃棄物最終処分場跡地を賃借し、2017年に設置された太陽光発電所。過去の災害では、道路の分断により孤立したことがある地域でもあり、施設に設置したポータブル蓄電池と合わせ、停電時の電力確保という非常時対策でも期待できる。こうした発電施設の設置に対して、地域住民の不安を取り除くために、丁寧に話し合うことが大切だと木下社長は語る
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