聞き手/田中 太郎(日経ESG編集長)

多くの「人材」によって事業が成立しているベルシステム24は従業員目線の働き方改革を実践。その軸にあるのは、事業を通じた社会課題の解決を目指した戦略だ。

柘植 一郎(つげ・いちろう)
ベルシステム24ホールディングス 代表取締役 社長執行役員CEO
1958年生まれ。1980年慶応義塾大学経済学部卒業、伊藤忠商事入社。伊藤忠インターナショナル会社生活資材・化学品部門長、伊藤忠商事紙パルプ部長、執行役員生活資材部門長などを経て、2015年4月からベルシステム24ホールディングス取締役副社長執行役員。2016年3月より現職

――コンタクトセンターを中心としたCRM(顧客情報管理)事業では「人材」が重要です。人材の獲得・育成に向けてどのような考え方で働き方改革を進めていますか。

柘植 一郎 氏(以下、敬称略) 当社には現在、約3万2000人の人材がいて、それぞれが多様な働き方をすることでビジネスを成り立たせています。いまは就労者も雇用側の考え方をよく見ているので、単に人手不足対策を実施したり、時給を上げたりすれば人材がついてくるわけではありません。「いい会社」でなければいい従業員を確保できないのです。

 では「いい会社」とは何かというと、働く人材を重んじ、かつ事業を通じて社会課題を解決する会社です。その2点を前提に成長戦略を考えなければ、従業員はもちろん社会からもいい評価はもらえません。

 私はいつも社員に対し、木の絵を使ってメッセージを出しています。木があり、そこに花が咲き、実がなる。花は売り上げ、実は株主配当や従業員の給料、あるいは地域貢献でもあります。普段は見えにくい地面の下にある根っこが、まさに人材です。当社は現場から意見を吸い上げ、そこから逆算して経営に活かす現場逆算経営を基本としています。

■ メッセージを込めた木の絵
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