蓄電池を小型・軽量化

――環境貢献製品として、太陽光発電での活用に向け普及が期待されているフィルム型リチウムイオン電池の事業展開の状況をお聞かせください。

■ フィルム型リチウムイオン電池
軽量・コンパクトで安全性が高く屋内に設置可能で、高い耐久性もある

平居 生産能力が限られているため、現状ではセキスイハイムだけの展開にとどまっています。ただ、お客様には大変好評で生産能力の増強が決定しました。早ければ2019年10月、遅くとも2020年初頭に生産能力が約4倍となる予定です。

 こうした蓄電池は住宅の屋内設置が難しいのですが、当社製品はそれが可能です。いま集中豪雨で浸水被害が増えています。当社製品は軽量・薄型、かつ大容量でありつつサイズがコンパクトであるため、屋内設置できる点が大きなアドバンテージです。今後はさらなるコンパクト化を進め、2階にも設置できるようになれば、浸水時でも利用できる可能性が高められます。将来的には壁などの建材に組み込めるところまで技術開発できればと考えています。

■ ペロブスカイト電池
変換効率が高く、フレキシブルで生産コストを抑えられる、注目の次世代型太陽電池だ

――次世代太陽電池「ペロブスカイト型」の技術開発はいかがでしょうか。

平居 まだ上市していないため環境貢献製品として認定されていませんが、現時点で屋外でも使用可能な耐久性と一定の変換効率を有する製品を、効率的なプロセスで生産できる目処がついてきました。この製品を実用化できれば、低コストで軽量な太陽電池が実現でき、再生可能エネルギーがより活用しやすくなるので、ぜひともやり遂げたいですね。

先進技術で社会課題に対応

――今話題となっているプラスチックの海洋汚染問題は、化学メーカーにとって由々しき問題ではないでしょうか。

平居 不法投棄を含め、廃棄物の流出自体がまず大きな問題だと思います。当社も社内では廃棄物を可能な限り再利用していますし、お客様にも廃棄や処理の対応について通達をしっかりと出していますが、手元を離れた製品すべてを追跡するのは現実的に困難です。廃棄物が海に出ている現状に関しては、化学メーカーとして廃棄物を適切に処理できるようなシステムを作る、社会の意識を変える教育などを行う、などに関して働きかけを行っていかなければと考えています。

――廃棄物を微生物で効率的にエタノール化する技術の開発に成功しました。この技術はリサイクル拡大につながり、プラスチック問題の解決に貢献できるのではないですか。

■ 可燃ごみからエタノール
埼玉県のパイロットプラントで廃棄物からエタノールの生成に成功。リサイクルの拡大へ大きな一歩となる

平居 廃棄物収集の仕組みさえきちんとできれば、理想的な循環の実現に寄与する画期的な技術だと思います。たとえば工業団地でエタノール化プラントを稼働すると、団地内の企業から廃棄物を集め、プラントでエタノール化し、それを団地内で使ってもらうことで、高次リサイクルシステムが確立します。産業廃棄物だけでなく一般廃棄物も、可燃ごみならエタノール化できる技術なので、当社としても期待は大きいですね。今後はパイロットプラントでの実証も重ねながら、経済性の追求を進めていきます。

――上記以外で今後、期待がかかる環境貢献製品は何でしょうか。

平居 期待しているのは、下水管の管路更生工法「SPR工法」です。下水管の老朽化が問題となっており、需要は今後確実に増えていきます。下水管のトラブルで道路陥没事故が発生すると、自動車や歩行者の安全にも大きな影響を与えますから、これも社会の課題解決に大きく寄与する製品だと考えています。

 また、メディカル系の製品にも大きな期待を寄せています。環境貢献製品に最近認定された病気の検査薬の中には、例えば、検査結果が出るまでの時間を大幅に削減できるものがあります。従来1時間かかったものが20分に短縮できるので、例えばお母さんがお子さんの検査結果を不安の中で待つ時間が40分も縮まりますし、1日に大量の検査を行う病院にとっても働き方改革を含めメリットが大きいでしょう。