SBT認証取得の狙い

――「SHIFT 2019」に合わせて作成した環境中期計画で、2017年度はGHG(温室効果ガス)削減の目標を達成しませんでした。

「サプライチェーンを巻き込み環境貢献」

平居 一番の理由は、M&Aで新規参入した会社のGHG排出量が多かったことです。単年度で見れば確かに達成できませんでしたが、最初にお話しした120億円の環境投資や当社の“際立ち”の技術によって、長い目で見れば確実に下げていくことができます。できることなら単年度ではなく、3年先、5年先を見ていただきたいというのが本音ですね。

――6月に化学業界で初めて「SBTイニシアチブ」の認証を取得しました。その狙いをお聞かせください。

平居 一番の狙いは、社内はもちろんサプライチェーンに対しても、GHG削減、環境貢献に対する意識を変えてほしいいということです。環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」で、自然資本の利用を上回るリターンを地球に返していくことを目標としています。実は当社グループが事業で利用している自然資本のうち、自前で使っているのはわずか4分の1程度で、残りはサプライチェーンが利用している分です。その現状を変えていかないと、環境長期ビジョンを達成できません。これからは当社と取引のある原料メーカーも環境貢献の視点を持って材料を選定していかなければいけない、そのメッセージとしてSBT認証を申請しました。

■ 環境長期ビジョンと自然資本のリターン
現在進行中の中期経営計画「SHIFT2019」では、事業の中で利用した化石燃料や木材など地球の財産(自然資本)に対し、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」という3つの活動を通じて、利用している自然資本以上にリターンしていくことを宣言している
※記載の数値は、四捨五入した数値表記となるため、合計値と異なります。
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――その「サステナブルビジョン2030」では、GHG排出26%削減を目標にしています。数値目標を26%にした理由は何でしょうか。

平居 この目標はパリ協定の数字に合わせました。化学業界としては高いハードルです。長期ビジョンを念頭におき、環境投資と同じように長期的な視野に基づいた施策を講じていきながら取り組んでいきたいと考えています。