“下川町株式会社”を発足

 吉本興業と下川町は連携協定の一環として、「プロジェクト“下川町株式会社”」を発足させた。(1)特産品の開発、営業、販路拡大、国内外への発信、(2)お笑いイベントを生かした集客・交流による、笑いあふれる地域コミュニティづくり、(3)スキージャンプの町づくり──の大きく3つのテーマに取り組む。

 活動の具体的な中身はこれから詰めるが、例えば、お笑いのライブを開催して「移住者の会」や「転勤者の会」といった既存のコミュニティの会合を盛り上げ、情報も発信していくことを検討している。

吉本興業のエンターテインメント力を生かして北海道下川町の魅力を国内外へ発信する。「レジェンド葛西」こと葛西紀明選手(左)をはじめ、同町は多くのスキージャンプ選手を輩出している。育成環境を整え、若者を呼び込む。名産のフルーツトマトを試食し、そのおいしさを伝える木村祐一さんとガンバレルーヤの2人(右)/写真:尾関裕士

 吉本興業の大﨑洋社長は、「これ(連携協定)を機会にスタッフや芸人が下川町に足しげく通って多くのプロジェクトを発足させていきたい」と意気込む。

 自治体と企業が手を組み、高齢化や過疎化といった地域課題の解決に取り組むケースは増えている。SDGsの達成に貢献するものもある。だが、こうした取り組みは、その地域でのSDGsの認知度向上や取り組みの活性化につながるものの、他の地域に広く知られるまでにはなかなか至っていないのが実情だ。

 下川町が吉本興業と組んだ大きな狙いは、情報発信の強化にある。吉本興業には約6000人の芸人が所属しており、コンテンツの企画やプロモーション、デジタルメディアでの展開に強みを持つ。

 蓑島室長は、「SDGsの達成には様々な人との連携が不可欠。吉本興業と下川町がタッグを組んで、それぞれの持ち味である「エンタメ力」と「ローカル力」を掛け合わせて、これまでにないSDGsのパートナーシップモデルを共に創る。地域発の取り組みとして国内、アジア、世界へと発信したい」と言う。

 この連携協定の成否が、日本がSDGsで世界に存在感を示せるかどうかの試金石になりそうだ。

■ 吉本興業と北海道下川町の主な取り組み