技術者と顧客の対話が今までにない新しい価値を生み出す

デジタルカメラのような民生用機器と違い、顔認証ゲートは法務省が管轄する機器となる。そのため、要求されるレベルが民生用機器よりもはるかに高くなるのも重要なポイントだ。

「外国人観光客が増える一方で、テロ対策や不法滞在の問題から、空港での厳格な審査がより重要になってきています。法務省入国管理局様からは『厳格化』と『円滑化』を高度なレベルで両立させたい、というお考えがありました」。法務省を担当する営業の石川航氏は、採用までの経緯をそう振り返る。

パナソニックシステムソリューションズ ジャパン株式会社
公共システム本部
公共営業統括部
公共営業3部 営業1課 課長
石川 航氏

2013年に始まったプロジェクトの過程で特に注力したのは顔認証エンジンをより進化させること。正確さとスピードを高めることで法務省の高い要求をクリアするためだ。さらに他社との差別化をはかるためにユーザビリティの向上にも気を遣ったという。顔認証ゲートを実際に利用するのは一般の旅行客であり、初めて使う人や高齢の人でも使いやすいサービスを提供すべき、という同社ならではの着想である。

「このビジョンを実現する為には技術者がもっと現場を理解する必要がありました。現場やお客様の要望などにノウハウを注意深くヒアリングしつつ、開発担当者にもこれを周知徹底し、現場やお客様を深く理解して設計開発を進めるようにしてきました。」と技術担当の窪田賢雄氏は解説する。

パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社
イノベーションセンター
システム部 システム2課 課長
窪田 賢雄氏

実際に開発された顔認証ゲートは、ユーザビリティが非常に優れたものに仕上がっている。初めての人や高齢者でも戸惑うことなく利用できるような工夫がいくつも施されている。例えばパスポートリーダーは既定の置き方以外でも対応できるようにと、新規のパスポートリーダーが新たに開発された。さらに、画面に使い方を表示する仕組みなども備えることで、スムーズかつ正確な利用をサポートしている。デザイン面でも、旅行客の荷物を置くスペースなどを確保するとともに、設置場所に応じてフレキシブルにレイアウトを変更できる設計を採用している。

省力化と直感的でわかりやすいユーザビリティを意識した設計

今回の自動化ゲートの開発にあたって、石川氏とともに法務省への営業を担当する三井洋希氏は担当者との打ち合わせの中で同ゲートの手ごたえを強く感じたそうだ。

「ニーズに対して何ができるのかを一緒に議論し開発してきたからこそ導入開始後多くの利用者に喜んで利用いただいています。今後も、技術と営業が一体となり、お客様と新たな価値を共創できるこの環境をフル活用して、よりよいサービスを提供できればと思う限りです」(三井氏)。

パナソニックシステムソリューションズ ジャパン株式会社
公共システム本部
公共営業統括部
公共営業3部 営業1課 係長
三井 洋希氏

現時点では日本人だけの利用に留まっている顔認証ゲートだが、いずれは外国人観光客、さらには海外の空港に展開されていくであろうことは想像に難くない。また、高度な顔認証技術は、空港以外の幅広いシーンに活用されていくことだろう。田村氏も「免許証をはじめとして、顔写真のある身分証明書には展開できるはずです。また、現在はオフィスの入退でICカードなどが利用されていますが、その代わりとして顔認証を活用できるのではないかと考えています」と、今後の展望を見据えている。

顔認証技術を活用したセキュリティ対策としては、国内外を問わずさまざまな施設ですでに実用化されている。それを思えば、上記のような活用事例は近い将来必ず出てくるだろう。顔認証技術によって、我々の生活がどこまで便利になっていくのか。今後の進化と発展に期待したい。



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