レトルトカレーはお湯で温めるものというのがこれまでの常識だった。だが、最近は電子レンジに入れて直接温める製品が主流になりつつある。レトルトカレーの生みの親である大塚食品は、既に一部の商品を除き「ボンカレー」のラインアップをすべてレンジ対応にしている。カレー業界のツートップ、エスビー食品とハウス食品も主力商品のレンジ対応化を積極的に推し進める。背景にはレトルトパウチの技術革新がある。今後、この流れはさらに拡大しそうだ。

レトルトカレーのレンジ対応化が主流になってきた。(写真:高山和良)

レンジ対応のレトルトカレーを販売しているのは、大塚食品を始め、エスビー食品、ハウス食品、グリコなど、この業界の大手。いずれも、スーパーや小売店で普通に買える製品を出しているメーカーだ。最近、高級スーパーなどを中心に置かれ、話題となっている日本各地のご当地カレーや有名料理店の名物カレーなどはまだレンジ対応になっていないが、街中で手に入る中核商品は既にレンジ対応が主流になってきているのだ。

メーカー名 シリーズ名
大塚食品 ボンカレー50
ボンカレーゴールド
ボンカレーネオ
ボンカレーグラン
The ボンカレー
こどものためのボンカレー
マイサイズ
マイサイズ いいね! プラス
エスビー食品 ゴールデンカレー(レトルト)
本日の贅沢
濃厚好きのごちそう
糖質レシピ
ハウス食品 ククレカレー
カレーマルシェ
ザ・ホテル・カレー
選ばれし人気店
江崎グリコ カレー職人
ビーフカレーLEE(一部)
電子レンジ対応レトルトカレーのシリーズ名。主だったメーカーのものを挙げた。
大塚食品徳島工場の煙突。世界初のレトルトカレー商品である「ボンカレー」製造のシンボルになっている。(写真:高山和良)

どこよりも早く舵を切ったのが、この業界のパイオニア、大塚食品だ。同社が1968年、世界初のレトルト食品として世に送り出したボンカレーはレトルトカレーの代名詞とも言える存在になっている。同社の取り組みはかなり早く、ボンカレーをレンジ対応に進化させたのは今を遡ること15年前、2003年のことになる。

以来、2009年の中価格帯の「ボンカレーネオ」、2013年の普及ゾーンに向けた「ボンカレーゴールド」(リニューアル)、2015年にはブランドの最上位製品となる「The ボンカレー」、そして、今年2018年に高価格帯の「ボンカレーグラン」と、レンジ対応のフルラインナップを揃えている。

同社がレンジ対応にしたのはボンカレーブランドだけではない。100キロカロリーに抑えた「マイサイズ」シリーズ、さらに健康対策用として調剤薬局ルートで販売する「マイサイズ いいね! プラス」シリーズといったレトルト商品シリーズもそうだ。現在、沖縄地域で販売しているボンカレーを除いて、同社のレトルトカレーはすべてレンジに対応している。

大塚食品 製品部 ボンカレー担当アシスタントプロダクトマネージャーの中島千旭さんは、レンジ対応に対する一貫した姿勢を「レトルト食品のパイオニアとして常に進化をし続けようとする意思によるもの」と語る。他社のレンジ対応についても「増えてきていることを実感しています。料理にも時短が求められる現在の時流に沿っています」と分析する。

大塚食品 製品部 ボンカレー担当アシスタントプロダクトマネージャーの中島千旭さん。ボンカレーの売り上げは好調で「誕生から50周年の今年は、対前年比で30%の伸びを示しています」と語る。(写真:高山和良)