Topics

水や電気を大事に使う

(2017/01/18)

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 先日、結婚を控えた男女と話す機会がありました。「彼が洗いものをしてくれるのはいいのですが、水を出しっ放しにしているのをみるとイラッときちゃうんですよね。」彼女によれば注意してもなかなかそのクセが治らないのだそうです。

♪台風の被害に遭ってわかったこと

 今から30年以上前、高校生だった頃、祖父母の代から住んでいた一軒家から駅前のマンションに引っ越しました。窓から富士山が見える新築の10階の新居は、それまで住んでいた、隙間風が入りどこか埃っぽい古い日本家屋に比べて、15歳の私にはずっと快適に思えたものでした。

 ある日、大型の台風が私が住んでいた千葉を襲いました。裏の川が決壊し、電気系統など全てが設置されていたマンションの地下が水浸しになって、私たち住人は、しばらくの間、電気、水道、ガスのない生活をおくらざるをえなくなってしまったのです。

 学校に行くために、銭湯に通うために、買い物に行くために毎日10階を上り下り。ちょうどいっぱいに貯めてあった湯船の水があったのは幸いでした。今と違ってペットボトルに入った水が普通に店に売っている時代ではありません。生家には雨樋を通じて雨水を貯めるしくみがあり、近所には井戸があったのを思い出しながら、水をどれだけ節約できるか家族で知恵を絞りました。日々水位が低くなる湯船のイメージは実は未だに私の脳裏に焼きついています。

♪1分間出しっぱなしで10ℓの水がムダに

別茹ですることなく一鍋で作れるパスタのレシピは過去記事 「最低限の水と火で作る、旨味たっぷり乾物スピードパスタ」をご覧ください

 そんな体験があるので、今でも水道の水を出しっぱなしにしているのを見ると、それが他人だとしても思わず止めてしまいたくなるほど。だから彼女のその言葉には大きく頷くものがありました。毎日の小さな「やだな」の積み重ねは、これから始まる新生活からは事前にできるだけ排除したいところです。

 ところで、水ジャーナリストの橋本淳司氏によれば、「人間らしい暮らしをするために1日に必要な水の量」は50リットル。FAO(国連食糧農業機関)のある試算の中で、一人が1日に使う水の量に、200リットルという数字が使われていました。一方で、日本人が使っている水の量は1日平均300リットル程度という試算があります。じゃ〜っと水を1分間流しっぱなしにするだけで10リットルの水が流れていってしまうのだそうです。

 そんな情報を共有するところがまずはスタート。今日は何リットル使った、と使用量が目に見えるしくみができると、ゲーム感覚で節水ができるかもしれません。実際そうしたモニタリングができるシステムを組み込んだ家も作られてきています。

♪家計にも環境にもやさしい暮らしを一緒に考える

 食器を洗う行為は、料理とセット。食器を洗っている間は水を止める、洗いおけを使う、野菜やパスタの茹で汁、米のとぎ汁を利用する。地道ですが、そんなことを意識し家族で共有することが、家計にも未来の環境にも優しく、家庭平和にもつながるかもしれません。

お知らせ

「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」(世界文化社)。

乾物をヨーグルトで戻すという食べ方を提唱したサカイさんならではの、とっておきレシピが多数紹介されています。肉や魚と合わせた主菜やスイーツ、朝食レシピまで毎日の食卓のヒントが載っています。

サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
▲ページTOPへ