(2017/04/12)
社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。
食べるものだけを買い、全部食べ切るのが理想。無駄のない暮らしをしたいなと思ってはいても、いただきもののお茶類、長くもつ缶詰や乾物などは、つい油断していつのまにやら賞味期限切れ、なんていうこともありがちではないでしょうか。
ほとんどの企業は、だいじをとって短めに賞味期限を設定しているので、見て異常がなく、匂いも問題なければ賞味期限を過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。
とはいえ、賞味期限を過ぎてからでは人に差し上げるわけにもいかず、ギリギリになってから「処分」するように食べきるのも難しいもの。その食材を保管するスペースも無駄に使われているわけですし、本来ならそうなる前に計画的に消費したいところです。
我が家では、お客様に来ていただく時に、「食べきれないなと予想できる食材があったらお持ちくださいね」と声をかけるようにしています。集まった人たちの中で無駄なく使っていただけるようならお持ち帰りいただき、残りはフードバンクに寄付しています。
フードバンクは、もともとアメリカで始まりました。日本でも2000年ごろから設立され、ボランティアで炊き出しを行ったり、福祉施設や個人宅に食材を送ったりといった活動をしています。私は関東に住んでいるので、都内にある日本で最も大きいフードバンク「セカンドハーベストジャパン」に送って役立てていただいています。
このように、家庭で余っている食べものを持ち寄って、地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄付する活動を「フードドライブ」と言います。もちろん個人で送ることもできます。
フードバンクによっては週末に炊き出しのボランティアを募集しています。私も以前参加しましたが、企業などから持ち込まれた食材の半端ない量にただただ驚きました。
中身には問題がなくても「箱が潰れた」「水がかかった」などの理由でその箱の中にある全てが売りものにならなくなったからとか、お弁当に入れる卵焼きの大きさを揃えるために端っこが大量にでるからとか、そんな理由で大量の食材がともすれば捨てられていたと思うと、「世界の9人に1人が飢えているというのに」と思わず声に出したくなってしまいます。その日は大雨でしたが、上野公園には400人を超す人たちが炊き出しの列に並んでいました。
春の日差しを浴びると家の中の整理をしたくなるのは私だけでしょうか。フードドライブを利用して、キッチンもすっきりさせましょう。そのうち食べるかもと保管したあかつきにゴミとして捨てるくらいなら、早めに地元のフードバンクや福祉施設などに持ち込んで活用してもらう習慣をつけませんか。
*フードバンクは団体や活動内容によって、受け入れる食材の条件が決まっています。事前に問い合わせる、ホームページをよく読むなどして条件を守り、迷惑がかからないように送ってください。
サカイさんのアイデアがたくさん詰まった「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」(世界文化社)。
乾物をヨーグルトで戻すという食べ方を提唱したサカイさんならではの、とっておきレシピが多数紹介されています。肉や魚と合わせた主菜やスイーツ、朝食レシピまで毎日の食卓のヒントが載っています。
サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net
DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com