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乾物をヨーグルトで戻してみたら

(2015/06/16)

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 乾物をヨーグルトで戻す。

 ここしばらく、そんな実験を繰り返してきました。

 乾物といえば、水やぬるま湯で戻すのが「常識」です。

 さてその食べ方はといえば、戻した乾物は醤油味の煮物として食べるのが長い間の日本の「常識」でした。

 そうした伝統的な乾物料理のおいしさも大好きなのですが、今の時代にあっては、毎食和食ばかりという人の方がもしかしたら少数派。そんな中で、煮物ばかり、地味、めんどうくさそう、といったマイナスイメージの先入観で、乾物に意識がむかないという人も、残念なことに少なくありません。

♪水で戻すよりおいしい

 実は今までにも、たとえばオレンジジュースで、白ワインで、チキンスープで乾物を戻すといったことをしてきました。そうやって戻した乾物は、水で戻してから改めて味付けをするよりも、しっかり味が沁みておいしいと感じられるのでした。

 ある時、ドライドマンゴーをヨーグルトに一晩浸けると生のように戻るという記事をみつけ、早速試してみたところ、確かにドライだった面影はないほどに生!なのです。

 ドライフルーツだけでなく、乾物をヨーグルトで戻してみたらどうなるのだろう?

 そんな素朴な疑問から、さまざまな乾物をヨーグルト戻ししてみました。

 ヨーグルトの8割以上は水分=ホエイ(乳清)です。ヨーグルトに乾物を入れて7~8時間おくと、そのホエイ部分を乾物が吸ってしっかり戻ってくれます。そして水で戻した時に比べて、モノによってはふっくら柔らかく戻り、モノによってはしっかりした食感を残して戻ってくれるのでした。固形部分はクリームチーズのように戻った乾物にまとわりついてくれます。

♪オススメはニンジンサラダ

 乾物は食べものを無駄にしないために編み出された知恵。そう思えば、乾物を戻した後のヨーグルトを洗い流して捨ててしまうというのでは、そのよさをまっとうしているとはいえません。

 乾椎茸をヨーグルトで戻すとふっくら戻るといった情報も得ましたが、これを和食の煮物にするとなればヨーグルトを洗い流してしまう無駄がでるだけでなく、実際やってみると乾椎茸にヨーグルトの風味がついており、繊細な味を追求する和食にはマイナスと感じました。

 そこでヨーグルトで乾物を戻し、でもそのヨーグルトを洗い流すことなく、おいしく作れる料理にはどんなものがあるだろう?そんな方向でレシピを考えてきました。

 そうしてできたのが、「乾物ヨーグルト」のレシピたち。

 まずは、手を動かすのは1分たらずでできてしまう、にんじんサラダにトライしてみてくださいね。

 乾物の「常識」が一変してしまうかもしれませんよ!

日経ウーマンオンラインに掲載された乾物ヨーグルトの記事はこちらから

キャロット・ラペ 乾物ヨーグルトバージョン

材料

干しにんじん40g、レーズン20g、プレーンヨーグルト150~200g

  1. 干しにんじんとレーズンとプレーンヨーグルトをあわせ、全体にヨーグルトがいきわたるように混ぜ合わせたら、冷蔵庫で7~8時間おく。

*好みでパセリのみじん切りやシナモンパウダーなどをふって供する。にんじんのあまさに驚くはず。味付けは不要なほど。

「乾物EveryDay」(コモンズ 1600円〈税別〉)
食べものの水分を減らすことによって、常温で長期保存可能な食、『乾物』。昆布やヒジキなどの海藻類はもとより、キノコや野菜、豆にドライフルーツ、ナッツ、パスタやお麩など。意識してみると毎日のように乾物を口にしていることに気づきます。
乾物は、軽いので買い物がも楽なうえ、輸送の際のCO2も少なくてすみます。常温で保存できるので、冷蔵庫に頼りすぎない暮らしにつながり、もしもの時の備えにもなります。賢く使えば、産地でも家庭でも無駄が出ずエコな食材であり、生ゴミも減らせるのです。
たくさんの可能性を秘めた乾物の、現代の食卓とライフスタイルに合ったレシピをたっぷりご紹介します。

サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
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